Low cost, Low price & High return

音楽に対してはまじめに、それ以外はゆるゆるとへんなことを。月に何度か、不定期に書き綴ります。

Bちゃんアワード2018~今年出会った音楽たち~


毎年勝手にBちゃんアワードというものをやっている。

いや、なんのことはない、ただ今年買ったCDアルバムのうち、
気に入った10枚を発表しているだけである。

権威なぞはまったくない。
そもそも音楽はすきだが、語れるほどの音楽知識など持ち合わせていないのだ。
完全なる自己満足の世界なんだけど、「おー、おまえがそんなに言うならちょっと聴いてみてやろうやんけ」って思ってもらえたらうれしいな。

全国流通版もM3で売っている同人音楽も、ライブ会場で手売りしているCDも、新譜も旧譜もぜーんぶいっしょくただ。
条件はただひとつ、おれが今年初めて聴いたアルバムである、ということ。
4曲以上収録されているCDが対象です。

それでは行ってみよう!

 

 

 

SAD COMMUNICATION/POLTA 2015年
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POLTA、「あれはいいぞ」という話はさんざん聞いてたんですが、聴いたのは今年がはじめて。
春のギタポで見たのが初だったんじゃないかな。

物販で買えなかったので、翌日タワレコでCD全部まとめ買いした記憶があります。正直、どのアルバムもすごくいいんですが、個人的には総合力でこの1stアルバムを推したいです。

リード曲の「遠くへ行きたい」はもちろんですが、個人的には「ステマステル」がめちゃめちゃすきで。「すみっこがかり」や「みそじれーしょん」、「キラーサンセット」とかもう、名曲が目白押し。「POLTAってどんなバンド?」って聞かれたときに答えるの、このアルバムなんじゃないかな、っておもいます。いや、最新アルバム「LOVE TO DIE」も「失踪志願」を中心にめちゃめちゃいいんだけどさ……!!

 

 

 

 

ナニコレ/ざ・ぷー 2015年

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ザ・プーチンズという名前でずっとやっていたバンド(?)が外圧に負けてザ・ぷーと改名したのは去年の7月。そのライブ模様はわたしの大好きなデイリーポータルZでも記事になっていたし、Twitterで仲良くさせていただいているかたが前々から応援していたので、存在は知っていたのだけど、これも聴き始めたのは今年から。そういうのおおいな。

やっぱり、なんといっても「ナニコレ」の魅力がすごい。この意味のわからなさ、なのに、どうしてこんなに胸に響くんだろう。とりあえず1回聴いてみてほしい。この曲に関して、1つエントリを書こうとおもったくらいだ。が、調べているうちに断念した。その理由はこれだ。めちゃめちゃ魅力的なブログが昨年書かれていたので、ここはぜひこちらを紹介したい。いやまじでこれ見たほうがいい。そして聴いてくれ。ぜひ。

もちろん、この1曲だけではない。ザ・ぷーの魅力のひとつテルミンをふんだんに使った「すしてるみん」や、恋愛模様を斬新な切り口で歌った「恋愛契約書」など、名曲がたくさん詰まっている。生再生で放送しているアルバム内放送局の「怪電波放送局」もぜひ。

 

 

 

 

Magical brinq Tour/brinq 2016年
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正月にブログ書きながら延々とYouTube見たりしてたときにひっかかってきたかた。
いまは「ハレトキドキ」ってユニットで活動したりもしてるらしいです。今年の春にアンテナガールさんと一緒に出した「サヨナラ」もめっちゃよかった。

基本は作曲とDJで、女の子がボーカルを取るってスタイルがメインなのかな。ライブはまだ行けてないんだけど、ほんと行ってみたいです。
小室哲哉さんみたいな、90年代ダンスミュージックがすきなかたはぜったいにハマるのでは。

このアルバムにもアンテナガールさんが歌った「question」って曲があって、ほんとこれものすごくいい。そして、なんと言ってもリード曲の「baby baby」。
アイドルグループ・lyrical schoolのminanさんがボーカルを取っているんだけど、めちゃめちゃうまいんですよ。さいこうによかった。
そして、PVやアートワークも含めてめちゃめちゃいいです。これ、ぜひMVを見てほしいなぁ。北村みなみさんのイラスト、映像。ほんと世界観がさいこうなんです。いやほら、もうさいこうとしか言えないから見てよ。たのむ。

 

 

 

 

手紙/辻林美穂 2018年
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「つばし」こと辻林美穂さんの最新作。
このひとはほんと、なんなんだろうな。Twitterではいいかんじにおもしろおかしい、くるってるひと(褒めてます)だし、実際にお会いしても明るくて気さくなお姉さんなんだけど、音楽になると一気に雰囲気が変わるって言うか。ポップで明るいのは印象通りなんだけど、とにかく綺麗で繊細な音。
わたし、冗談めかして「稀代のシンガーソングライター辻林美穂とTwitter芸人のつばしさんは別人」なんて言ってますけど、けっこう本気ですよ。魅力の振れ幅がすごい。

で、それはCDの中にもふんだんに発揮されていて。
彼女のアルバムには毎回「つばしラジオ」が必ず入っているんだけど、今回のはとくにひどい。友達のやぎぬまかな(ex-カラスは真っ白)さんまでひっぱりだしてのやりたい放題。
11分以上も、ほんと自由気ままに、勝手にあっちこっち話をしまくったあげくに、「聴いていただきましょう、辻林美穂さんで、『forêt』」の声に合わせてインストの名曲・「forêt」が始まるわけですよ。こんなんあり?リスナーの手を引っ張って連れまわす悪女。確信犯ですよ。

待望の音源化となった全英詞の「tick tock tea time!」や、盟友ワタナベタカシとのデュエット「魔法が使えなくなる日」に表題曲「手紙」。この名曲たちとラジオの落差。
しかも最後にもうひとつラジオが入ってる。あーもう!!ほんとうになんなんだこのひとは。来年もちゃんと見張っとかないと、なにするかわかんねぇぞ。

 

 

 

 

SUPER VIRTUALBOYS/バーチャルボーイズ 2018年
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ベッド・インの振り付けでもおなじみのジーニアス・朝日太一とわれらがエイプリルズのイマイケンタロウの2人からなるチップチューンユニット。8bitの、ファミコンみたいなピコピコ系のことをチップチューンって言うらしいよ!今年はじめて知りました。勉強になるね。

スーパーと名の付いた3枚目のCDは、いままでのファミコン的な音から音楽的に劇的な進化を遂げた、その名に恥じぬ1枚。そう、ファミコンサウンドからスーパーファミコンを意識させる音に変化!!ってそっちかーい!!!
ドラクエの名曲「LOVE SONG 探して」やマザー2の「SMILES and TEARS」のカバーアレンジや、前作に収録されていたオリジナルの名曲「銀河の二人」などのセルフカバーも収録。その名も「スーパー銀河の二人」!っておいタイトル!!

と、まぁツッコミどころも満載なんだけど、これがいいのよほんとうに。お互いそれぞれメインの活動があってのバーチャルボーイズ。手に力が入っていないところがじつにいい。このCDの収録音源がないので、1stのときの音源を参考までに。

 

 

 

 

憂鬱イズポップ/OTOGI 2018年
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ハッカドロップス・マイさんとモローンズのリーダー・ヒロヒロヤさんが組んだ2人組。モローンズについては去年も藤岡みなみ&ザ・モローンズの曲を紹介させていただいてるので、よかったらそちらもぜひ。

先行してたデモを聴いたときは、あれ?ずいぶんアコースティックだな、とおもったりもしたんだけど、全国流通盤の音源を聴いたら、やっぱりヒロヒロヤさんらしい、鮮やかなメロディー。

リード曲の「流れ星みたい」のほか、「レモン」や「おしゃべりがとまらないよ」といったデモCDからの3曲を含む、全5曲入りの「はじめまして」。
新人と言ってもキャリアのあるおふたり。今後がとてもたのしみです!

 

 

 

 

ござりかけのRadio/侍文化
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現代に甦った4人の侍たちによるバンド、侍文化。というとなんかコンセプトバンドっぽいけど、ガバガバなので気にしなくても大丈夫。ライブのMCでは途中で語尾に「~ござる」をつけ忘れて「ござっていこうな」と再確認するなど、まぁ自由なスタイル。だが、それがいい

台本なし、奔放で見てるこちらがはらはらするようなMCと、ロキノンをフィーチャーしつつも、素直に「好き」とは言えない、まるでこじらせた高校生のような、そんな愛情がこもった楽曲。これがまたさいこうにいいんですよ。

シングル2枚に加えて2曲のライブ定番曲を加えた手売りのミニアルバム。どれを紹介するかと迷ったけど、1stシングルの表題曲「なんで」を紹介させてください。
爽快で心地よくて、でもなにひとつ進んでいない歌詞。まさに、一筋縄ではいかない侍文化を代表するかのような一曲。
「スモーク・イン・ザ・ウォーター」かと思いきやがくっと期待を裏切る「ZOO」なんかもおすすめ。YouTuberとしても活躍してるので、よかったらそちらもぜひ。

 

 

 

 

羊の皮をかぶった山羊/meiyo 2018年
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侍文化やPOLLYANNAでも活躍するワタナベタカシがmeiyoと名義を変えて再登場。1stにしてベストか!?と錯覚するかのような、「ワタナベタカシのいいとこあつめました」なアルバム。

なんと言ってもワタナベタカシのポップな魔法が炸裂している。「シトラス」や「魔法の呪文」といった名曲が1枚にまとまっててちょうお得。
いまのうちに知っておいたほうがいいですよ。ぜったい売れるから。鮮やかなメロディーと素直じゃないひねくれた歌詞、好きだなぁ。

YouTubeにも曲はあるんですが、あえてeggsでしか聴けないこの「シトラス」を紹介させてください。この曲、ほんとめちゃめちゃすきなの。「僕が居なくて寂しくないと寂しい」って、なんだよこれ。さいこうでは。
meiyoのアルバムトレーラーとかも作ってほしいなぁ。

 

 

 

DELICIOUS./TWEEDEES 2018年
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清浦夏美と沖井礼二(ex-Cymbals)の2人によるバンド・TWEEDEESの最新作。
Cymbalsを愛したファンのひとりとして、このアルバムは「TWEEDEESらしさ」というものが前面に出たものになったようにおもう。確実に、これはいままでとはちがう1枚になったと確信できた作品だ。

表題曲「DELICIOUS.」からの「花束と磁力」と初っ端からアクセル全開。中盤はしっとりと聞かせて、リード曲の「美しい歌はいつも悲しい」。この美しさは、なんだろう。MVも、正直特別な演出ではないとおもう。ただ、これを見た瞬間に鳥肌が、立ったのだ。これ以外にありえなかったとおもう、あまりに秀逸なタイトルも含めて、ぜひ見てほしい1曲だ。

そして、個人的にものすごくおすすめをしたいのが、9曲目の「間違いだらけの神様」。
わたしは、かつて神様になりたかった。ほんとうにいい奴なのに、どうしてこんなに不遇なのだ。そんな友人知人を、せめて照らしたいとおもっていた。やさしい傲慢を振りかざしていた。
そんなわたしに、この歌詞は刺さる。刺さりすぎる。はじめて聴いて、おもわず涙をこぼしてしまったほどだ。おすすめをしたいのに、この曲だけ、再生回数が異様に少ない。刺さりすぎて、どうしても聴けないのだ。
そんな2018年も終わる。来年はもっと、この曲と向き合えるようになりたいとおもう。

 

 

 

 

CDはもう売れない/ポップしなないで 2018年
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ポップしなないでの2ndミニアルバム。このアルバムについては個別に記事を書いてしまったので、もう今さら語ることはないのだが、いい。とにかくいい。

ぜひともみなさまに聴いていただきたい1枚である。いや、もうほんとうにいいんですよ。

 

 

 

 

以上でした。

その他、シングルだから紹介できなかった曲とか、この1曲がめちゃめちゃよかった!!とか、そういうのもよかったら紹介させてください。

 

今から渋谷で遊ばない?/C'mon C'mon 2018年

曲単位では、今年いちばん聴いたんじゃないか?ってくらい聴いた曲。
ポップしなないでの対バンとして出てきて、「いったいC'mon C'monってなにものだ!?」とおもってたんだけど、元ぽわんのメイビーモエさんのあたらしいユニットと知って納得。今後の活躍がたのしみでならない。さいこうですよ。

 

 

僕らの故郷、黄金の国ジパング/イエロー・シアン・マゼンタ

イエロー・シアン・マゼンタの最新MV。曲自体を聴いたのは去年なんですが、今年はじめて聴いたアルバムにも収録されてるし、ちょっと推させてほしい。
和風の香りがするロックなんですが、そんなにロックロックしていないところがいい。今年新メンバーのナカノさんも加入し、新譜も発売(タイミングが合わなくて、まだ入手できていないんだけど……!)今後の活躍がますます楽しみです。

 

 

失踪志願/POLTA 2018年

上でも書いたPOLTAなんだけど、もうこの曲さいこうだから聴いておくれよ。
「行方不明になりたい 死にたいわけじゃないけれど
行方不明になりたい 面倒なこと全部やめて」って歌詞、さいこうすぎなのでは。
ネガティブなんだけど、ネガティブすぎない歌詞。ポップでキャッチーなメロディ。「失踪したい!」ってコール&レスポンスしたい。落ち込んだときにがーっと聴いたらいいんじゃないですかね。ほんとうにいいのでぜひ。

 

 

ビター・エスケープ/やぎぬまかな

カラスは真っ白のやぎぬまかなが帰ってきた!!もうそれだけでじゅうぶんだとおもっていたのに、なんだこのかわいくて、かっこうのいいポップさは。
キャラソンということで、おなじ曲なのにぜんぜんちがうアレンジが施されているというのもおもしろい。とにかく「ビター・エスケープ」ざんまいのこの1枚。入手はコナミのサイトからしかできないのでハードルはたかいんだけど、ぜひ聴き比べてほしいとおもう。

 

wants/学園祭学園

学園祭学園の旧譜2枚をまとめた「ユーモラス・ユーモラス」からはこの曲を。
これは以前、学園祭学園を紹介した記事でも取り上げたんですが、やっぱりめちゃめちゃいいのでぜひ見てほしいなぁ。
途中ベースだけで曲を成立させているところとか、おもしろおかしくトークするだけじゃない、学園祭学園の実力のたかさも感じられる、いいライブ映像だとおもいます。
ひそかに人気がどんどん上がっている学園祭学園、いまのうちにぜひ聴いてみてもらいたい。おすすめです。

 

 

さて、2018年の通常記事は以上です。ありがとうございました。
来年もまた、すばらしい曲たちに出会えますように。みなさまも、もしよかったらぜひ聴いてみていただけたらうれしいです。君に音楽を。

2018年12月に書いたnote

 

今月もnoteを書きましたよ、というお知らせです。

 

先月も書きましたが、noteは、こちらとは基本テイストがまったくちがっておりまして、このブログはたのしいこと、おもしろいこと、わたしのすきなこと、をメインに書いております。というかそういうことしか書いておりません。

なんでこのブログがそうなのか、というと、読んでおもしろい、たのしい、笑えるものにしたかったからです。これを読んでくださっているみなさまが実際どうおもっているかはわからないのですが、わたしとしては、自分の「スキ!」を前面に押し出したブログを書いておるつもりです。

屁理屈こねたり、旅行記だったり、お店紹介だったり、へんな企画だったり、はたまた音楽記事だったり、ジャンルはもうむちゃくちゃなんですけど、わたしのすきなもの、読んでてたのしい気分になれるものという点では共通しているつもりです。

 

じゃあ、noteのほうはどうなのよってことなんですが、こちらは基本的に自分語りエッセイモドキ、みたいなかんじです。たぶんそこそこまじめに書いてます。いやーなこととかも書きます。読んでておもしろい、たのしいものではないかな、というような気もしますが、生きづらかったり、苦しんでるようなひとが読んでくれたらいいなぁ、とおもって書いてます。

どっちかというと、ブログが陽ならnoteは陰ってかんじなんですが、まぁ、せっかく書いたのでもし気が向いたら読んでよ、ってな具合に紹介だけさせてください。

 

・はじめまして、こんにちは(12/8)

 

 

3か月目の自己紹介です。ほんといまさらなんですけども。
そう言えばこのブログでも自己紹介ってしてなかった気がします。まぁ、いっか。

とりあえず「note酒場」というイベントに行くにあたって、なにもない状態で行くのもなぁ、とおもって書いた紹介文。
自己紹介ってにがてなんです。なにをどう書けばいいのかわからなくないですか。ひとのことのほうがよっぽどうまく説明できる気がします。
がんばって書いたは書いたけど、やっぱりうまく伝えられていないような気がするなぁ。なんなんでしょうね、消化不良感がどうもぬぐえない。

まぁ、こいつどんなやつなんやろっておもったかたがいたら読んでやってください。

 

 

・note酒場に行ってきた。(12/10)

 

 

行ってきたので、やっぱりnoteのプラットフォームで感想を書かねばならんなぁとおもって書きました。
「noteって意識がたかそう、こわい!」ってずっといやがってきたのですが、まぁ実際飛び込んでみたら、よかったなぁとおもいました。

このイベントをきっかけに仲良くしていただけたかたもいたりして、ありがたかったしうれしかったです。実際参加されていなかったり、会場でお会いしていなかったけど、つながってくれたかたもたくさんいて。

みんな色々書いているなかで、自分らしく、意識のひくい感想を書きました。まぁ、それがゆるされるのもnote酒場のやさしさ、ってことで。
参加者のみなさま、運営のみなさま、どうもありがとうございました。

 

 

・スキを、伝えることが(12/11)

 

 

わたしなりの「推し」について。

よくもわるくもオタク気質なので、推しへの愛は叫びがちなんですよ。ライターになってから、こういう人種って世間だと少数派なんだなってことに気がついた。遅い。

「自由ポータルに応募してるひとも、プロのライターも、関係ないひとも、関係なく推しますよね」ってさいきん言われまして。褒められてるのかわかんないですが、とりあえず褒めことばだとおもっています。

やっぱりその、いいものはいいし、みんなに紹介していきたいって気持ちはつよいので、基本的にはこのスタンスでいきたいとおもっています。

 

 

・やさしさって、なんだろう(12/12)


 

元々ダメです.に寄稿するために、9月に書き下ろしで書いてた1本。

ダメです.の編集長がちょっといまたいへんなので宙に浮いていたのですが、今年じゅうにはどうしても世に出したかったので、了解を取った上で先にnoteに書かせていただきました。そのうち転載というかたちで載るかもしれません。

ダメです.に載せるために、やっぱり前向きな文章にしたかったのですが、いまはちょっとやりきれない気持ちのほうがつよくなってしまったりして。終わりをどうするかめちゃめちゃ悩みました。
書いて、消して、また書いて……結局、悩んだ末に元々の原稿とほぼおなじようなかんじになりました。表現とかは変わったけども。

で、この最後の終わりかたの反響がよかったの、ほんとうにうれしかったなぁ。喜んでもらえたらなんでもうれしいけど、特に悩んだ部分が「よかった」って言われると、ほんとうに悩んだ甲斐があったな、ってかんじがします。

やさしいひと、むずかしいけど、無理しない程度にやりたい。

 

 

・キミとの、はじめての(12/14)

 

 

久々にお題に参加してみたnote。

基本的に恋愛に向いていない、というのは自覚しているんだけども、じゃあどうしようとおもうとなかなかむずかしいところがある。思い出よりも思考に寄せて書きすぎたきらいはあるけど、どうでしょうか。これもけっこう評判がよくてうれしかったです。

ライターの中村慎太郎さんに「Bさん、めっちゃ乙女ですね。冒頭は男性なんだけど、どんどん女性になってる」って言われた作品。若いころはよく「女性脳」なんてことを言われたんだけど、さいきんまた久々に言われたような気がします。
まぁ、それもたぶんわたしの特性のひとつだとおもうので、いい意味で発揮していきたいなぁとおもいます。

甘酸っぱいような、ほろ苦いような。そんな青春時代の思い出話。

 

 

・東大を舐めるな、に思う(12/17)

 

 

Twitterで友達から流れてきたので、ついつい物申したくなってしまった一件。

学歴コンプ、めちゃめちゃあります。「あたまのいいやつって内心おれみたいなバカのこと見下してるんだろ?」みたいな気持ちもけっこうずっと長いことあって、それを捨て去るのはけっこう苦労したし、もしかしたら、いまでも奥底でくすぶっているのかもしれない。なのでまぁ、言う側の気持ちもわからんでもないな、と思いつつ。

逆に、前職で建築士の資格を手に入れたら、言われる側に回ったりもして。
なので、言われる側の気持ちもわかるんですよね。ただまぁ、批判にたいして「うるせぇ、学歴ないくせに」とか「仕事できないくせに」とかって言い出したら終わりのような気がするよなぁ、と思って、こういうかんじになりました。

基本的には「今さら手に入らなかったものにどうこう言っても仕方ないしなぁ」というスタンスで、自分が属していないコミュニティも尊重していけたらいいんじゃないですかね。コンプで殴るのはかっこわるい、ってのはあくまで自分の価値観なんですが、たいせつにしていきたいなぁとおもいます。気を付けたい。

 

 

・一方的な愛を、ここで叫ぶ(12/18)

・一方的な愛を、ここでも叫ぶ(12/19)

・一方的な愛を、さらに叫ぶ(12/21)

 

 

すきなひとたちを紹介するシリーズ。Twitterではよく個別の記事に引用RTをしているのだけど、そういえばnoteでやってなかったなぁ、とおもって書きました。

「スキを、伝えることが」のところでも書きましたが、基本オタク気質なので、推しについての愛を叫びがちなところがあります。
ただ、すきなものの紹介文を書くのって、「自分がこの作品の、この作者のどんなところがすきなのか、自分がどういったものがすきなのか」ってことをもう一度見つめ直すきっかけになるのでいいとおもうのですよ。

やっぱり、すきなものに包まれて生きていきたいし、自分でも自分のすきなものを作っていきたいじゃないですか。それを再確認する作業として、たいせつなんじゃないかなぁ、なんて。

文章を書くひととして、やっぱり気持ちを言語化するってのは必要だとおもうので。まぁ、よく語彙力を失って「さいこうじゃああーーー!!!」みたいに騒いでますけども。できる限りやっていきたいなぁ。

 

 

・クリスマスという名の日常(12/25)

 

 

個人的に思う、クリスマスについて。

キラキラした雰囲気、きらいじゃないです。特別な一日であっていい。ただその、「特別な日」であることを強要されるのはちがうんじゃないかなっておもったりもして。
今年のクリスマスはほんと、イブはただ友達とライブに行ってだべって、当日もひとりでライブに行って……ただそれで終わったわけですが、ただここ数年でさいこうにたのしいクリスマスになったような気がします。

ほんと、クリスマスと関係のないただの「満足度のたかい一日」だったわけで。でも本来それでもいいんじゃないかなっておもいました。家族や恋人と過ごす「満足度のたかい一日」も、こういう過ごしかたも、すべてが尊重されたらいいなぁ、とおもって書きました。

もちろん、「クリスマスに楽しむこと」を強要しているわけでもなくて、ただ人生にこういう「たのしいって思える日」がたくさんあったらいいだろうな、って。
人生が終わるときに「たのしかったな」って思えたら人生勝ちだと思います。たのしむぞ。

 

 

さてさて、そんなかんじで、今月は10本書いてました。今月は意識的にnoteをたくさん書こうって気持ちでいたのですが、それにしてもめちゃめちゃ多いな。信じられない。
またペースは元に戻るかもしれませんし、がんばって書いていくかもしれません。もし気が向いたら読んでやってください。

もちろん今後もこちらのブログは書いていきますので、どうぞ合わせてよろしくお願いいたします~!

逆に、焼きそばを煮て作ってみた

 

カップ焼きそばというものがあるだろう。

あれがすきだ。いや、「すき」と言っていいのかはわからないが、たまに猛烈に食べたくなる。焼きそばでも、カップラーメンでもだめなのだ。あのちょっとチープな、カップ焼きそばが食べたくて仕方がないときが、ある。

ただ、お湯を入れているときに毎回おもうのだ。「これ、うそじゃないか」って。
だって「焼きそば」とか名乗っているくせに、実際はほぼ煮て作っているじゃないか。これではカップ煮そばだ。けしからん。

でも待ってくれ。じゃあ、逆に焼きそばを煮てみたらどうなるんだろう。これってトリビアになりませんか。

 

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「煮そば」を作りたかった。

 

さて、そうと決まればさっそく調理に取り掛かろう。
近所のスーパーに行って、材料を調達してきた。

 

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きわめてシンプルな具材たち。

 

カップ焼きそばの具として一般的なのは、キャベツと肉だろう。本家(?)にならって、シンプルな構成にしたい。ただ、わたしがすきな野菜ランキング第一位の玉ねぎはどうしても入れたい。ということでこうなった。ちなみに、ふつうに焼きそばを作るときは、かならずにんじんも入れます。たまにもやしも。

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ざっくり

 

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ざっくりと

 

基本的には「豪快!男の料理!!」なので、切りかたの雑さには目をつぶっていただけるとうれしい。

 

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沸騰したお湯を用意。

 

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切った野菜をぶち込む。一気にお湯が落ち着いた。

 

さて、野菜を煮込んでいる間に麺の紹介である。

 

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焼きそば、おまえは今日から煮そばだよ!

 

使う麺は、むかしから我が家で親しまれている「マルちゃん焼きそば」。わたしはこの麺に絶大なる信頼を置いている。きっと煮てもうまいはずだ。たのむぞ。

ただ、ひとつ気になっていることがある。焼きそばの麺には、茹で時間がいっさい書いていない。かんぜんにメーカー保証外のことをしようとしているのだ。この麺はいったいどれくらいの時間茹でればいいのだろうか。
かなりの細麺である。うーん、1分くらいにしておこうか。

 

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そうこう言っている間に野菜が煮えてきたので、肉を投入。

 

肉が固くなってしまってはおいしくないだろう。肉に続いて即座に麺を投入することにした。

 

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急げー!!!

 

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煮込みます。お鍋の最後みたいになった。

 

と、あわててひとつ重大なミスを犯してしまった。豚肉で一気に冷めてしまったお湯が、沸騰しないのだ。肉の量を減らすべきだったか、それとも麺は別鍋に分けておくべきだったか。しかし、もう間に合わない。ガッデム!!

さらに、写真を撮るのに四苦八苦している間に、あっという間に過ぎる1分間。結果的に、沸騰しないお湯で1分20秒くらい茹でることになってしまった。煮そば、いそがしすぎるのでは。

 

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味見をして、まぁこんなものだろうとザルへ。

 

使ったザルのせいか、一瞬「ラーメン二郎かな?」とおもったが、二郎のヤサイには麺も肉も入っていなかったし、なんなら玉ねぎも入っていない。共通項がキャベツしかなかった。おおいなる勘違いであった。

そして、湯切りを後のお湯を見ると、油が浮きまくっていた。ただでさえおおい豚肉の脂に加え、焼きそばの麺にはほぐしやすくするための植物油がまぶしてあるのだ。
茹で上がったときに油が落ち、独特のテカリがなくなった麺は、ちょっと細いスパゲティのような見た目になっていた。

 

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どうだろう、この焼きそば感のなさ。

 

丼に移したら焼きそばっぽくなるのではないか、とおもったが、想像以上に焼きそば感がない。具の焦げ目のなさ、特にキャベツがクタッとしているからだろうか。
あと、粉末ソースを混ぜるときに粉が部屋に飛び散ったら掃除がめんどうだな、とおもって丼に入れたのだが、はからずも油そばっぽい雰囲気が出た。

 

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焼きそばソースを振って

 

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かき混ぜる

 

茹でて油が落ちた麺がかたまってしまい、粉末ソースを混ぜるのになかなか苦労した。粉がうまく溶けて混ざってくれないのだ。
通常、焼きそばをつくるときは、

肉野菜炒めをつくる→麺を投入→水を入れて麺をほぐす→水がなくなったら粉ソースを投入

という手順を踏む。麺がじゅうぶんにほぐれているし、麺の油や豚肉の脂がちゃんと文字通りの「潤滑油」になってくれるだろう。それがないだけで、こんなにも混ぜるのがたいへんになる、というのはあたらしい発見だった。

おもえば、カップ焼きそばのソースは液体だ。あのソースは油分もたっぷり入っている。なるほどそうか、カップ焼きそばは数々の研究を重ねた上に作られているのだな、というのが、あらためてよくわかった。

 

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できました。

 

混ぜるのにだいぶ苦労したが、見た目はかなり「焼きそば!」という感じになった。ソースの力は偉大である。3枚前の写真と比べると雲泥の差がある。うまそうだ。

なお、混ぜる際に丼のふちまでソースでめちゃめちゃに汚れてしまったので、あわてて拭いて取り繕った。みなさまも煮そばを作る際には注意をしていただきたいポイントだ。

 

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いざ、実食!!

 

食べてみると、うん……味が、薄い……?

わたしはマルちゃん焼きそばを作る際、およそ3玉に粉2袋を入れるようにしている。
粉末ソースの味が濃いのだ。ぜんぶ入れてしまうと、しょっぱくて食べられない。
今回は1玉なので、ふつうであれば2/3袋でいいはずなのだが……ふしぎと味が薄いのだ。これはまったく想定外の事態であった。

追いソースをして、1袋を丸々入れても、まだ少し薄い。結果、自分がちょうどいいとおもえる味にするためにはなんと、1と1/3袋を使うこととなった。倍量である。
なお、追いソースを終えたあと、丼を拭くのをわすれたため、写真の上では麺を持ち上げたとたん、一気に丼がよごれたように見えてしまった。味ではなくて、ツメが甘い。

おそらくこれは推測だが、しっかり湯切りをしたとは言っても、焼いた麺とは含まれている水分量がぜんぜんちがうのだろう。まさかこんなに味の濃さがちがうとはおもわなかった。何事も、やってみなければわからないことがあるものだ。たぶん、今後二度と使わないであろう知識がひとつふえた。

そして、かんじんの味について、である。
ふつうの焼きそばに比べて油分が少ないためか、味の濃さがおなじでも、まろやかでやさしい味がするのだ。ほら、鉄板で焼いた焼きそばは、けっこうこってりしたパンチのある味だろう。
だが、ちがうのだ。煮そばはやさしく頬をなでるような味なのだ。なんということだ。ボクシング漫画だとおもって読んでいたらラブロマンスだった、くらいの衝撃である。焼きそばとも、チープでジャンクなカップ焼きそばともちがう、第三の味わいがここにはあったのだ。

で、じゃあありかなしか、と言われると、ぜんぜんありだとおもう。
濃いものがにがてなかたやお年寄りには、むしろおすすめできる味だ。キャベツのシャキシャキした歯ごたえや、わかりやすい派手さはないのだが、あっさりしていて、けっこううまい。
麺がすこし柔かったが、わたしが写真を撮ったりしてバタバタしていたせいもあるだろう、1分程度茹でればいいとおもう。茹で時間がきわめて短く、味見をしている余裕がなかったため、ざっくりした目安で申し訳ない。どうかこの煮そばの味のように、やさしくあたたかい目で見ていただけたら幸いだ。うわ、まったく伝わらない表現になってしまった。でも、もしよかったら試してみてください。これはこれで「アリ」だ。

 

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ふつうの焼きそば。こっちは問答無用でうまい!

 

こちらの記事もおすすめです。

「忘平成会」で、まるごとぜんぶ忘れたかった

 

2018年になって、きゅうに数々のイベントを企画することとなった。

 

きっかけは地味ハロウィンで出会った方々がめちゃめちゃおもしろかったので、
単純にまた会いたいな、話をしたいな、と漠然とおもったことだった。

リンク先は2018年のもの。わたしは2016年から3年連続で参加している。

 

その想いが高じて、今年の2月に行った「地味ハロ同窓会」が最初の企画である。

めちゃめちゃ個人的な日記である。とにかくたのしかった。

 

3月からは個人の主催で15人規模の飲み会をし、4月には30人を集めて花見をした。
あまりにも個人的すぎたので、このへんはいっさい記録に残していない。
ただ、このくらいの人数になると「おいおい会社か」ってかんじになる。

いきおいあまって、5月にはほんとに架空の会社を作った。

めちゃめちゃ盛り上がったし、たのしかったし、正直記事はバズった。

 

夏には花火を見に行ったり、キャンプをした。ほとんど毎月なにかしらのイベントをやっていた気がする。

2年前からの付き合いである、友達のもひもひさんを通じて、千鳥あゆむさんと出会ったのもこの夏だった。
「好きなものを好きなだけ持ち寄って、自由なあんみつを作りたい。」あゆむさんの一言に乗っかって、こんな企画が生まれた。

記事はあゆむさんが書いてくれた。共通の友達のもひもひさんは、否応なしに主催グループに巻き込まれた。

 

もひもひさんもブログを書いていた。アウトプットはだいじである。

 

ここから、もひもひ・千鳥あゆむ・少年Bの3人でイベントを企画するという機運が高まった。
9月には「あついのがやだ、知らんひとがこわい、でも祭りはたのしみたい」という、とんでもないわがままを体現したガバガバなおまつり、通称「ガバまつり」を開催した。

記事はあゆむさん。5時間があっという間に過ぎた。意味がわかんなかったけど、さいこうにたのしかった。

 

もひもひさんは翌日にはブログを書いていた。仕事がはやい。

 

「平成最後の夏」という、わずか数ヶ月で消費されきった言葉をつかうのもいやなのだが、この夏はなんか、遅れてきた青春ってかんじがした。

 

ガバまつりの打ち上げとして3人でコリドー街を歩いていたとき*1、ふとこんな会話になった。

「忘年会やりたい。1年じゃなくて、どうせなら人生まるごと忘れたい」
「われわれの世代なら人生=平成じゃない?平成最後だし平成忘れよう」
「おれの平成を紹介し合おう」
「「それだ」」

立ち話どころか、飲み屋をさがしてうろつきながら話していた企画が、このたび実現した。

 

前置きがながかったが、今年最後の企画がこれだった。

 

具体的には、まず蒲田のスナックを借りた。3人ともDPZの愛読者であり、「宴会と言えば蒲田」というわたしの提案がすんなり通った*2
当初はこのまんま蒲田温泉を貸し切る方向で話が進んでいたが、日程の都合等があり、結果的に蒲田のスナックになった*3。昭和の雰囲気が出てよかった。「なんで?」と聞かれたら平成が終わり、昭和が復権するのだ!!とギリギリ昭和生まれであることにかこつけて強弁しようとおもっていた。

 

そして平成を代表する飲食物を用意するなどした。

用意した食べものは。

狂牛病豚丼*4

ヒ素カレー*5

・偽装餃子*6

ミートホープ*7

などである。なお、没ネタとしては「食べ残し(手付かずのお料理、と読む)」「スカスカおせち」「段ボール肉まん」などがあった。

飲みものは

・スーパーヤリヤリサワー*8

・アル中カラカラハイボール*9

ヤマンバギャルと白ギャル、もしくは下妻物語*10

ストロングゼロ

などが用意された。ノンアルコール飲料として「わたしは寝ていないんだよ!」のコールで提供される「ミルク」も用意しようかという案もあったが、おもにノンアルを欲するわたし*11が牛乳ぎらいなため、あえなく却下となった。

その他、参加者から「平成各年に流行ったお菓子」「平成20年に日本食宇宙食に採用されたので宇宙食」といった平成を代表する差し入れや「地元のおまんじゅう」「家にあったお酒」など、平成とは関係ないがたいへんありがたいものをいただいた。参加者の善意で成り立っている会である。

 

この忘平成会は、官房長官元号発表から始まった。

 

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ジモコロの記事を読んで、ライターの村中さんにオファーをした。

 

続いてはわたしのアイスブレイク紙芝居。

 

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一気に昭和の雰囲気になり、コンセプトがあやうくなった。

 

平成に始まった生配信やキャスのようなものの元祖である。元祖に敬意を表するのはたいせつなことだ。とかなんとか言っているが、おまつりのときに1万円の身銭を切って道具を買ったので、1度で終わらせるのは忍びない。というだけである。機会があればまたやりたい。

 

平成を代表する同人誌の即売コーナーもあった。

 

 

自分の黒歴史を売るはずが、もひもひ・千鳥あゆむ両名による合同誌「少年Bの黒歴史小説を解読する本」まで並んでいて、その場から崩れ落ちた。地獄は作れる。

 

歓談タイムを挟み、平成を代表するプレゼンを行った。
わたしの役目としては、初っ端に極端にレベルの低いものを披露して、参加者の心理的ハードルを下げる、というものだったが、そんな心配など必要なかったほどに、興味深く、おもしろいプレゼンが続いた。結果、わたしだけが滑った。忘平成会なので、そのまま平成の記憶として忘れてもらえてよかった。

 

 

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テーブルの上が「あの頃の友達の家」みたいになった。

 

主催の一員にもかかわらず、写真もほぼ撮らずにただただたのしんでいたのだけど、みなさまのツイートから様子を紹介したい。

 

 

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平成キャラクターの変化についてのプレゼンや、平成を代表するバンドの演奏があった。

 

 

この1年のイベントの企画って正直、めちゃめちゃたのしかったんだけど、くるしかったり、つらかったこともあった。自分の手に持て余すような企画もあったし、綱渡りもあった。
ただ、この3人ならなんとかなるんじゃないか、と信頼できる仲間ができたことは嬉しかったし、なにより企画をおもしろがって参加してくれた、みんながいてくれたことが大きかった。

正直、ただの飲み会を企画するほうが楽だし、ぜったい失敗しないんだけど、やっぱりこういう「へんなこと」をみんなで作り上げていくたのしさを知ってしまうと、もう戻れないなとおもう。これからも自分が「たのしい」とおもえるイベントを企画していきたい。

あたまがわるいので、喉元を過ぎれば熱さを忘れるのだ。まるごとぜんぶは、忘れられないようだった。つらかったことはきれいさっぱり流して、たのしいことだけ覚えていきたい。

願わくば、つぎの元号が終わるときも、すてきな仲間たちと一緒に時を過ごせますように。

 

もひもひさんの記事と

千鳥あゆむさんの記事も貼っておく。

 

 

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打ち上げで行った居酒屋の壁には、平成を代表する流行語が書かれていた。

 

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しかも2ヶ所も。

*1:なお、結果的にコリドー街では飲まずに、新橋の外れの中華料理屋で飲んだ

*2:なお、主催は3人とも蒲田とはまったく別の場所に居を構えているため、この提案により単純に移動がめんどくさくなった

*3:この時点でもはや蒲田である必要性がまったくないような気がするが、気にしてはいけない

*4:おいしい豚丼であった

*5:おいしいカレーであった

*6:おいしい餃子だった

*7:おいしいソーセージだった

*8:けんぜんなカクテル

*9:けんぜんなハイボール

*10:白と黒のカクテル

*11:こう見えて下戸である

【CRAZY STUDYで記事を書きました】パパの本格派チキンカレー vs ママの簡単ケプリカレー 美味しいのはどっち?? 食べ比べようとしてみた

 

※今回はただのお知らせです。

 

 

 

わたくし、CRAZY STUDY(通称:クレスタ)というサイトで、たまーに記事を書かせていただいております。

 

本日、久々に記事が配信されました。

クレスタ初となる記事広告です。

 

 

詳しくはもちろん記事を読んでいただきたのですが。

 

兵庫県にあるカレー屋さん「ケプリ」の記事広告となっています。

こちらのカレーはわたしも友達から勧められて買ったのですが、めっちゃうまいのですよ。辛いのがにがてなわたしには、ぜんぜん辛くないというのもうれしい。

カレーはもちろん、コーヒーやチャイの通販もやってるので、よかったらぜひ。

 

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友達でありライターの佐々木かえでさんと、

 

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こちらも友達の、の木さんが撮影に協力してくれました。

 

 

お二人とも、ありがとうございました。

今回は架空の家族という設定で撮影をしたのですが、佐々木かえでさんが見事な老けメイクをしてくれまして。

 

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ちなみにこれは老けてないときのわたしとかえでさんの写真です。お好み焼き。
女性はやっぱりメイクでかわりますよねぇ。老けメイクをするのは特殊な状況ですが……

今回は「どう見ても若いひとが、あからさまにわざと老けている」という違和感、ヤラセ感を出したかったので、本物のお母さんではだめだったんです。

ここまで身体を張ってくれる女性ライターさん、貴重だとおもいます。ほんとうにありがたかったです。感謝!!正直、この企画を一緒にやってくれるひとを思い浮かべたとき、真っ先に浮かんだのがかえでさんでした。

 

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わたしはお父さんになりました。なかなかナイスミドルなのでは?と自分ではおもっているのですが、いかがでしょうか。ほら、なんかマリオみたいなさ……

ふだんはあんましこういうのやらないのですが、今回はめっちゃ顔芸をやったので、そのへんもぜひ見ていただけたらうれしいです。

 

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怒ったり

 

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踊ったり

 

ゆかいなお父さんですが、実際にいたらめっちゃウザそうな気がします。

 

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かえでさんの写真はちょくちょく煽り力のたかい写真があって、さいこうにいいです。

 

せっかくなので記事で不採用になった写真をいくつか。

 

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現場で「フリー素材感がすごい!!」と話題になった「スマホをいじる娘」。

 

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躍動感がなさすぎてNGに。記事で使ったのは奇跡の1枚を集中線で加工したもの。

 

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「なにこれ……?」と言わんばかりの顔をしたママ。煽り力がつよすぎてNGに。

 

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これ、熟年の夫婦感が出た気がする。キッチンで料理しながら、たわいもない話で笑える夫婦ってよくない?

 

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いじけるパパと苦笑いの娘。

 

撮影開始前「みんなで明るくたのしい家庭を築きましょう」と言ったところウケました。なにひとつまちがってはいない。

 

衣装や撮影機材も佐々木かえでさんが、記事の案はかえでさんと、友達でライターのねおみのるさんが、構成はクレスタ編集長のじきるさんが協力してくださいました。
はじめてのことで、色々たいへんだったり、あたまをかかえたりもしたけども、周囲のみなさまに支えてもらってなんとかがんばれた、というかんじです。

ほんとうにみなさま、ありがとうございました!

もちろん、これを読んでくださってるみなさまにも感謝です!
もし記事がおもしろかったら、ぜひカレーも買ってみてくださいね。おいしいので、損はさせないとおもいますよっ。

 

 

 

そんなわけで告知でした。オチはありません。

 

こちらのサイトともども、少年Bをみなさまどうぞよろしくお願いいたします。

お仕事のご依頼も承っております。
TwitterのDM、もしくはraira21hot■gmail.com(■は@が入ります)までご連絡ください。

 

 

2018年11月を振り返るまとめ

 

 

さて、11月ももう終わりです。2018年もあと1ヶ月、みなさまいかがお過ごしですか。
だいぶ寒い日が多くなってきて、わたしは心と懐が特に寒いです。ヘルプミー!!!
導入が毎回ほんとに雑なんですが、すみません。今年はもうこのまま行きます。

 

さて、どんな記事を書いたのか、どんな思いで書いたのか、という

おれ以外誰得なかんじの1ヶ月振り返りです。

 

興味があったらどうぞ。

 

 

 

・ポップしなないでの新譜「CDはもう売れない」がいいので聴いてほしい。(11/16)

 

 

推しバンドのひとつ「ポップしなないで 」の新譜がめちゃめちゃいいぞって話です。

ポしなについては以前にもこの記事で語っているのですが

今回はリード曲とアルバムコンセプトについて、おもうことを書いてみました。

さいきんはTVでも特集されたり、MVがバズったり、とにかく名前を聞くことがおおくなってきたバンドなのですが、いや、2月にこの記事書いたときは正直、まさかこんなに有名になるとはおもってなかったよね……(失礼

でも、名前が売れるだけの実力のあるバンドだとおもうし、そういうバンドの認知度アップに少しでも貢献できたらうれしいのですよ。もっともっと売れるべきバンドだとおもってますので、みなさまよかったらぜひ。

アルバム出たばっかで言うことでもないんだけど、まだまだいい曲をたくさん持ってるので、次回作がもう今からたのしみです。

 

 

・2018年11月に書いたnote(11/27)

 

 

毎月やる予定のnoteまとめです。

基本的におもしろたのしいブログと、真面目だったり黒かったりするnote、という使い分けをしているので、ブログの空気感とは合わない部分はあるのですが。まぁ、もしおまえの文章にちょこっと興味があるぞ、ってかたはよかったら読んでみてください。

今月はちょっと遅くなっちゃいましたが、だいたい20日~25日くらいに上げていけたらいいなぁ。

1本目の「或る祭りの終焉」はけっこう話題になったかな、という話でした。どこのなんて祭りなのかは察してください。 
6月にブログに書いた「つよいトイレのはなし」もリライトしていたりします。よかったら読んでね。

 

 

・料理の「さしすせそ」でラーメンを作りたい(11/28)

 

 

デイリーポータルZ 夏のライター通信講座で書いた記事です。

ネタ出し会議の時点ではかなり手ごたえがあり、いいかなとおもっていたネタなのですが、とにかく作業、絵ともに地味。
結果が複数ならば比較のしようもあるのですが、結果的にできたものもひとつなので、これ見せかたほんとどうしようと、めちゃめちゃ悩んだ記事です。初回の提出までにものすごく時間がかかりました(6人の受講生のなかでダントツの最後でした)。
ただ、デイリー石川さんがかなり編集してくださったので、最終的にはかなり「見れる」ものになったのではないでしょうか。編集が必要になった箇所が半端なかったもので、石川さんにはほんとご迷惑をかけたとおもいます。この場を借りてお礼を申し上げたいとおもいます。

この記事についてはほんと、一時期は見るのもいやなくらいでしたが、みなさまのはげまし、叱咤等でほんとなんとかかたちになったなぁ、というかんじです。

講座の感想と合わせてまた別の機会に、時間を取って書きたいです。

 

 

今月の記事は以上です。

 

今月のアクセス数ベスト3は

 

地味ハロウィン2018に行ってきた。

groovy music!「ポップしなないで」を今すぐ聴け!

ダサい格好で飲み会に参加した

 

 

次点で

食べたぶどうを記録していました。

 

といったかんじでしょうか。

 

1位は地味ハロウィンの記事。今月のアクセス数の1/3がこの記事に集中するという、ものすごい独占状態。こんなのを見るのは昨年~今年前半にまだこのブログが今以上に弱小だったころに自由ポータルに載ったころ以来ですね。久々です。今年下半期は自由ポータルに送れるような記事をぜんぜん書けていないので……

 

2位は2月に書いたポしな。これは毎月人気ですよね。ありがたいです。今月書いたあたらしい記事のほうも読まれてほしいな~!ほんといいバンドなんですよ。

 

3位はダサ飲み会。次点とめちゃめちゃ僅差でした。個人的にはイベントもそうだし、書いた内容もめちゃめちゃ気に入っているので、多くのかたに読んでいただけたらうれしいです。

 

次点はぶどうのレポート記事。夏あたりから意外と人気が出てきて、けっこう読んでいただいています。 ありがたいことだけど、何があったんだろう。

 

没ネタについてですが、さいきんちょっとあまり没にならないので(たんに書くのが遅いというのもある)ちょっと今回から廃止にさせてください。

来月もちょっとおもしろい記事が書けそうです。どうぞおたのしみに!

 

さて、そんなこんなで11月でした。

今年も残すところ1ヶ月。おもしろい記事を書くぞー!よろしくお願いいたします。 

 

ブログ以外にこちらのサイトもゆるーっと書いていく予定なので、どうぞ、合わせてよろしくお願いいたしますねー!執筆予定はいまのとこ未定です!

料理の「さしすせそ」でラーメンを作りたい

 

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これは、あたらしいラーメンの味を追求した男の物語である。



料理のさしすせそ、というものがあるだろう。
調理の基本となる5種類の調味料、砂糖・塩・醤油・酢・味噌のことだ。


ラーメンを食べていてふと思ったのだ。ラーメンには塩・醤油・味噌がある。つまり「し・せ・そ」が網羅されているのだ。

 

さらに、お酢もラーメン屋には常備してあるじゃないか。ラーメンにお酢をかけると味がふくらんで、これが実にうまい。+1のはずが、+10にも+100にもなるのだ。ごめん、それはちょっとハードルを上げすぎた。でもうまいのでみなさまぜひ一度お試しください。


まぁ、つまりだ。この「さしすせそ」の中で、砂糖以外の調味料はすべてラーメンの味として存在するということにならないか。唯一、砂糖ラーメンだけがないのだ。
なんということだ。これでは砂糖がかわいそうだ。なんとかして砂糖を仲間に入れてあげたい。

……よし。じゃあ、おれが砂糖のラーメンを作ってみようじゃないか。



まずはスープの出汁を作ろう。

 

砂糖のラーメンを作る、といったところで、まずはスープを作らなくては始まらない。

 

一般的にラーメンのスープは「出汁」と「タレ」に分かれている。味を決めるのはタレのほうだ。醤油ダレ、塩ダレ、のように今回は砂糖ダレを作らなくてはならない。

 

いっぽうの出汁は自作である必要はないのだが、お店で購入するとなると、出汁とタレを混ぜ合わせたスープの状態で売られている。これを分離するのは不可能だ。つまり、結局はタレに合わせる出汁のほうも自分で作らなくてはならない。というわけで、最初に出汁を作っていこう。

 

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ということで材料を買ってきた。

 

スープの基本は鶏ガラだ。スーパーや肉屋でも、タイミングによってはガラがある。事前に連絡をしていれば、入荷したときに教えてもらえるようだ。

材料の買い出しに行ったら、偶然にもガラが置いてあり、しかも半額のシールが貼られていた。よし、これは幸先がいいぞ。

 

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出汁にするものを物色していたところ、なかなかうまそうなものがあった。

 

うまそうな牛スジがあった。これもいい出汁が出ないだろうか。これをラーメンのスープ作りのときに一緒に下茹ですれば、ついでに好物の大阪名物どて焼きを仕込めるぞ。臭み消しのために買ったネギの白い部分の使い道もできるし、一粒で2度おいしいさくせんだ。しめしめ。

この判断のせいで、あとで泣きを見ることになるのだが、このときのおれはそんなことを知る由もなかった。

 

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野菜も用意した。砂糖の甘味に寄せてみようと、りんごを買ってみたがどう出るだろうか。

 

ガラのほかに、出汁の材料に使う野菜を用意した。インターネットで出汁の作り方を調べてみたところ、にんにくやしょうが、ネギの青い部分、というのは共通している。加えてにんじんを入れたり、てきとうに野菜クズを入れることもあるようだ。

今回は玉ねぎとキャベツの芯、そしてりんごを用意した。

りんごは甘い。甘い砂糖ラーメンを作るので、出汁とタレとの橋渡し役をしてくれるんじゃないかと期待しての用兵である。

その効果は未知数だが、カレーの隠し味では定番になっているなど、その実力はたかく評価されていると言ってもいい。たのむぞ。

 

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鶏ガラを茹でると、想像以上の量のアクが一気に出てくる。下茹では必須だ。

 

いきなりめちゃめちゃにアクが出てくる。おまえはほんとうにアクのつよい人間だな、と言われることもままある人生を送っているが、さすがにこの鶏ガラさんにはかなうまい。おそらくたいへんな鶏生を送ってきたんだろうと推測する。

下茹でをして茹でこぼし、あらためて水を張り、スープを作る。

 

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一度下茹でした鶏ガラに鶏皮を入れる。鳥皮で脂分を補強しようというかんがえだ。

 

本来は鶏皮は別の鍋で鶏油を分離して、最後にスープ・タレと共にブレンドするのがただしいラーメンの作りかたのようだが、一人暮らしの我が家には鍋が2つしかない。スープを作る大鍋、そして小鍋はチャーシューにタレにと頻繁に洗って使いまわすしかないのだ。おい誰だ、こんないそがしいときにどて焼きを仕込もうとかかんがえたやつは。

 

ということで、油はスープと一体にして煮込ませてもらうことにした。油のおおめ、すくなめは調節できなくなってしまうが、家系ラーメンを目指しているわけではないので勘弁してもらおう。

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スープの量を欲張った結果、鍋がえらいことになった。

 

目分量でざっくり入れているとおおむねこういうことが起こりがちである。

なお、この時点でかなりやばい状況ではあるが、これでもアクを取ってスープを減らしてはは材料を足したのだということをお伝えしたい。当初はもっとえらいこっちゃだったのだよいよいよい。
わたしは今月で33歳になったが、つぎの1年の目標は「計画性を持つこと」にしようとおもう。

 

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煮込むこと約3時間、金色にかがやく脂がいかにもうまそうだ。

 

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せっかくなのでチャーシューも自分で作りたい。バラ肉を焼いてから投入。エキスを煮出す。

 

焼き目をつけたバラ肉をスープに入れる。小鍋にフライパンに、ただでさえせまい安アパートのせまいキッチンがあれこれ慌ただしい。焼くときにものすごい量の脂が出たが、ええい!これもスープに入れてしまえ!!

 

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バラ肉は小鍋に移してチャーシューに。肉への想いがつのるあまり、作りすぎた感はある。

 

30分ほどバラ肉を煮て、中まで火が通ったらチャーシューをつくる手順に入る。

醤油に砂糖、みりんに酒を水で割って、昆布とともに小鍋で煮込む。

沸騰させ、味をなじませたらタッパーに入れて、粗熱をとったあとに冷蔵庫に入れて一晩寝かせる。ようし、立派になるのだぞ。と子どもの成長を願う父親のような気持ちになった。

コンロ周りがきたないのは気にしてはいけない。

 

さて、出汁づくりに戻ろう。一晩寝かしたあと、ていねいに濾したら出汁の完成だ。廃棄するガラは丼3杯分も出た。おお、こんなにたくさんの材料を使っていたのか。あらためて見るとすごい量だな。

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廃棄するガラや野菜はこの丼で3杯分も出た。エキスが染み込んでいる。

 

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見よ、この黄金のスープを。いかにもうまそうだ。

 

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カサが減ってしまうのを見越して、昨晩のうちに昆布出汁を取っていた。これをブレンドする。

 

本題のタレを作る以前の段階でだいぶ時間を使ってしまった。ラーメン作り、めちゃめちゃスローフードだな。スローフードのわりに、健康要素はまったくないような気がするのだけど。

さて、いよいよタレを作るとしよう……とその前に、気になることがある。

 

出汁の味はどうなのか?

 

自分で作ったこの出汁、はたしてほんとうにうまいのか。見よう見まねで素人が作ったものだ。さすがにお店のラーメンと比べるのはフェアではないだろう。

まずはしょうゆラーメンにして食べてみることにしよう。砂糖ラーメンと比べるのはそのあとだ。

 

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ここで出汁と並行して作ったチャーシューの登場。なんと魅力的な色であることか。

 

醤油ダレとして、このチャーシューの煮汁を使う。

一晩寝かせたチャーシューは、父の願い通り立派においしく成長してくれた。感無量だ。

 

これからは得意料理を聞かれたらチャーシューって言おう。あんがい簡単だったうえに、料理ができる男っぽい雰囲気を出すことができそうだぞ。

……ほかの料理は焼きそばくらいしか作れないけど。

 

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見るからにうまそうなしょうゆラーメンができた。味のほどは。

 

味はたしかにおいしかった。自画自賛をするようだが、これはなかなかいいしょうゆラーメンだったと言えよう。

 

……臭い以外は。

 

誤算だった。大いなる誤算であった。

軽い気持ちで入れた牛スジがよくなかった。思いつきでてきとうなことをするのはよくない。このままでは砂糖ラーメンの正当な評価にかかわってしまう。

なお、スープが獣臭くなるという代償を払って完成したどて焼きはたいへんおいしかった。食べている最中にふと「本末転倒」ということばが脳裏をよぎったことをここに告白しておく。

 

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ふたたびこの作業が始まった。前回は皮を剥いて使っていたたまねぎやにんにくがそのままぶち込まれているところに、おれの心境が伝わればうれしい。

 

ちなみに、前回のスープはすべてしょうゆラーメンにして、1週間かけて食べた。食べものを粗末にするのはよくない。

 

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見た目はまったく変わらないが、あたらしい出汁ができた。味見もOK。よし、今度はかんぺきだ。



よくわかってないやつが思いつきでてきとうなことをするのはよくない、というたいへん貴重な知見を得ることができた。具体的にはだいたい金額にして3000円と時間を5時間ほど無駄にすることになる。あと記事を書くのが3週間くらい遅れる。2週間よぶんにかかっているのは、家ラーメンを食べ飽きて、もう一度スープを作る気力を失ったためである。

砂糖ダレを作る

 

次にスープのもう一つの要素、タレを作る。

 

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無添加のだしパックと桜えびを準備した。

 

砂糖ラーメンを作るにあたって、塩ラーメンのレシピをベースに、材料の塩を砂糖に変更してみるのがいいのではないか。だしの素は味がついているものがおおかったが、スーパーを3件回って無添加のものを探してきた。



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みりんと白醬油。白醬油なんてはじめて買った。

 

材料にしょうゆが入っているじゃないか!という意見もあるだろう。

ただ、これはれっきとした塩ラーメンのタレのレシピである、ということでひとつ。

素材の色を生かすために、色のついていない白醬油をチョイス。そこそこいいお値段と今後の我が家での使い道のなさにびびりつつ購入した。

 

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少量だと作りづらいので、5食分ほどの量をまとめて作る。

 

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かつおと昆布の混合だしに桜えび、そこに白醬油、みりん、酒でタレの元をつくる。

 

本来は「さしすせそ」の順番通り、砂糖を先に入れてつくるのがただしいとおもうが、そうすると必要以上の量の砂糖タレができてしまう。そこで、砂糖以外の材料だけを先に混ぜることにした。

さすがに砂糖ラーメン5食分を作るのはこわい。最初に少し砂糖ダレを作って、おいしかったらまた作ればいい。もしおいしくなければ、塩ダレにすればいいのだ。ふふふ、どうだ。かんぺきな作戦だろう。

 

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塩を入れれば塩ダレに、砂糖を入れれば砂糖ダレになる、はずだ。

 

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写真にすると、おどろくほど地味である。

 

ラーメン1杯分に取り分けたタレに砂糖をたっぷり入れて、いよいよ砂糖ダレの完成である。おれはなんということをやってしまったんだ。未知の味への期待と、しでかしたことの背徳感に、興奮がどんどん高まってくる。砂糖と塩をまちがえる、というのはマンガなどでたまにある光景だし、だいたいそのあと口からプッと吐き出すシーンに続くのがお約束だ。しかし、今回は断じて誤りではなく、意図的なのだ。おお、なんということだ!

写真がものすごく地味なので、なんとかこのテンションをお届けしたく、極端におおげさに書いているのですが、みなさまには伝わっておりますでしょうか。

 

麺をゆでて、完成

 

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どう見ても塩にしか見えないが砂糖である。

 

ふつう、麺を茹でるときに塩を入れるが、ここは砂糖にリスペクトを込めて砂糖をまぶしてみた。効果のほどは未知数であるが、「よし、これから砂糖ラーメンを食べるのだ」という気分が高まってくる。小学生のころ、100m走の前に靴を脱ぐのとおなじような効能がある。つまり、なんとなく高揚感が得られるということだ。

 

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できた。これが砂糖ラーメンだ。

 

目で見たかぎりでは、塩ラーメンと識別することが不可能だ。砂糖と塩を入れ替えた以外はまったくおなじなのだから、まぁ当たり前ではある。

では香りはどうか。わたしの利かない鼻では、これも区別することができない。エビやチャーシューの風味がつよいというのもある。

 

お店で作るラーメンと比べてしまうと見た目にだいぶ寂しさがあるものの、家ラーメンとしてはまぁ、けっこうがんばったほうだとおもうぞ砂糖ラーメン。さぁ、まったく見当のつかないそのお味は、いったいどんなものなんだ。

 

いざ、実食!!

 

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スルスルスルスル……

 

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なんだこれは!!!

 

不意打ちだ。わかってるのに不意打ちを食らってしまった。

どう見ても「塩ラーメンでござい」って顔で出てきたものが、めちゃくちゃ甘い。ひとは視覚で見た予想とまったくちがう味が出てくると、もう笑うしかないのだ、ということがわかった。これはエンタメだ。あたらしいエンターテイメントのありかただ。

自分で作っていて、わかっているはずなのにこんなにおもしろいのだから、まったくの他人に食べさせてみたら笑い死にするのではないか。もしくは、ものすごくはちゃめちゃに怒られるかのどっちかだとおもう。

 

ただ、味的なことをいうと、意外とこれがなくはないのだ。これは自分でもびっくりした。

中華料理屋さんのチャーシューで、たまにやたらと甘いやつがあるだろう。イメージとしてはあんなかんじなのだ。デザートやお菓子じゃなくて、ちゃんと料理という顔をして出てくる甘いやつを、おれたちは知っていた。ごん、おまえだったのか。

 

ただ、ラーメン屋さんで800円払ってこれが出てきたら、外れのお店を引いたとおもって頭をかかえるだろう。500円くらいなら、まぁいいかって気分になるような気がする。エンターテイメントの世界はきびしいのだ。なるほど、砂糖ラーメンが流行らない理由がよくわかった。



おまけ・砂糖しか使わないラーメンをつくる。

 

意外と、なくはない。500円くらいなら出してもいいか、と思える砂糖ラーメンの味だったが、砂糖だけで勝負をしてみたいという気持ちもある。

ダシに塩だけをぶち込んだ塩ラーメンがないのと同様に、これはあくまでもお遊びである。番外編だ。だが、どうしても試してみたいのだ。

限界の、その先を。どうか見せてはくれないか。

 

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砂糖水を

 

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煮詰めて

 

純度100%の砂糖ダレを作ってみた。

砂糖を水で溶かしてひたすら煮詰める。これ以上砂糖が溶けないくらいまで濃度を濃くしたシロップのようなものを作った。これを砂糖ダレにする。



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見た目には黄金のスープ。さすがにチャーシューを乗せるのは躊躇してしまった。

 

さぁ、100%砂糖ダレのラーメンができた。甘くない麺と甘いスープの組み合わせだ。

古来よりわが国に伝わる食べものとして、おはぎがある。お米の周りにあんこをふんだんにまぶしたものだ。

甘いものをまとった炭水化物、という点で、これはおはぎとおなじであるとは言えないか。

小麦と砂糖の組み合わせだって、メロンパンやクリームパンみたいな甘いパンだってあるだろう。形が変わったところで意外とだいじょうぶなのではないか。

ちょっと見た目が慣れないからおどろくだけだと自分を鼓舞しつつ、食べてみた。

 

いや、予想はしていたがとにかく甘い。スイーツになるかとおもったが、これはちがう。歯にしみる甘さだ。おれがカブトムシだったら狂喜乱舞する味。あと、麺の香りがものすごくわるい方向に出ている。なるほど、かん水のにおいと砂糖はあまり相性がよくないということがわかった。

何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。

もし興味があったらやってみてください。

 

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見た目で区別がつかない塩ラーメン。こっちは800円を出してもいいかなって味だった。

 

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