Low cost, Low price & High return

音楽に対してはまじめに、それ以外はゆるゆるとへんなことを。月に何度か、不定期に書き綴ります。

Bちゃんアワード2018~今年出会った音楽たち~


毎年勝手にBちゃんアワードというものをやっている。

いや、なんのことはない、ただ今年買ったCDアルバムのうち、
気に入った10枚を発表しているだけである。

権威なぞはまったくない。
そもそも音楽はすきだが、語れるほどの音楽知識など持ち合わせていないのだ。
完全なる自己満足の世界なんだけど、「おー、おまえがそんなに言うならちょっと聴いてみてやろうやんけ」って思ってもらえたらうれしいな。

全国流通版もM3で売っている同人音楽も、ライブ会場で手売りしているCDも、新譜も旧譜もぜーんぶいっしょくただ。
条件はただひとつ、おれが今年初めて聴いたアルバムである、ということ。
4曲以上収録されているCDが対象です。

それでは行ってみよう!

 

 

 

SAD COMMUNICATION/POLTA 2015年
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POLTA、「あれはいいぞ」という話はさんざん聞いてたんですが、聴いたのは今年がはじめて。
春のギタポで見たのが初だったんじゃないかな。

物販で買えなかったので、翌日タワレコでCD全部まとめ買いした記憶があります。正直、どのアルバムもすごくいいんですが、個人的には総合力でこの1stアルバムを推したいです。

リード曲の「遠くへ行きたい」はもちろんですが、個人的には「ステマステル」がめちゃめちゃすきで。「すみっこがかり」や「みそじれーしょん」、「キラーサンセット」とかもう、名曲が目白押し。「POLTAってどんなバンド?」って聞かれたときに答えるの、このアルバムなんじゃないかな、っておもいます。いや、最新アルバム「LOVE TO DIE」も「失踪志願」を中心にめちゃめちゃいいんだけどさ……!!

 

 

 

 

ナニコレ/ざ・ぷー 2015年

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ザ・プーチンズという名前でずっとやっていたバンド(?)が外圧に負けてザ・ぷーと改名したのは去年の7月。そのライブ模様はわたしの大好きなデイリーポータルZでも記事になっていたし、Twitterで仲良くさせていただいているかたが前々から応援していたので、存在は知っていたのだけど、これも聴き始めたのは今年から。そういうのおおいな。

やっぱり、なんといっても「ナニコレ」の魅力がすごい。この意味のわからなさ、なのに、どうしてこんなに胸に響くんだろう。とりあえず1回聴いてみてほしい。この曲に関して、1つエントリを書こうとおもったくらいだ。が、調べているうちに断念した。その理由はこれだ。めちゃめちゃ魅力的なブログが昨年書かれていたので、ここはぜひこちらを紹介したい。いやまじでこれ見たほうがいい。そして聴いてくれ。ぜひ。

もちろん、この1曲だけではない。ザ・ぷーの魅力のひとつテルミンをふんだんに使った「すしてるみん」や、恋愛模様を斬新な切り口で歌った「恋愛契約書」など、名曲がたくさん詰まっている。生再生で放送しているアルバム内放送局の「怪電波放送局」もぜひ。

 

 

 

 

Magical brinq Tour/brinq 2016年
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正月にブログ書きながら延々とYouTube見たりしてたときにひっかかってきたかた。
いまは「ハレトキドキ」ってユニットで活動したりもしてるらしいです。今年の春にアンテナガールさんと一緒に出した「サヨナラ」もめっちゃよかった。

基本は作曲とDJで、女の子がボーカルを取るってスタイルがメインなのかな。ライブはまだ行けてないんだけど、ほんと行ってみたいです。
小室哲哉さんみたいな、90年代ダンスミュージックがすきなかたはぜったいにハマるのでは。

このアルバムにもアンテナガールさんが歌った「question」って曲があって、ほんとこれものすごくいい。そして、なんと言ってもリード曲の「baby baby」。
アイドルグループ・lyrical schoolのminanさんがボーカルを取っているんだけど、めちゃめちゃうまいんですよ。さいこうによかった。
そして、PVやアートワークも含めてめちゃめちゃいいです。これ、ぜひMVを見てほしいなぁ。北村みなみさんのイラスト、映像。ほんと世界観がさいこうなんです。いやほら、もうさいこうとしか言えないから見てよ。たのむ。

 

 

 

 

手紙/辻林美穂 2018年
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「つばし」こと辻林美穂さんの最新作。
このひとはほんと、なんなんだろうな。Twitterではいいかんじにおもしろおかしい、くるってるひと(褒めてます)だし、実際にお会いしても明るくて気さくなお姉さんなんだけど、音楽になると一気に雰囲気が変わるって言うか。ポップで明るいのは印象通りなんだけど、とにかく綺麗で繊細な音。
わたし、冗談めかして「稀代のシンガーソングライター辻林美穂とTwitter芸人のつばしさんは別人」なんて言ってますけど、けっこう本気ですよ。魅力の振れ幅がすごい。

で、それはCDの中にもふんだんに発揮されていて。
彼女のアルバムには毎回「つばしラジオ」が必ず入っているんだけど、今回のはとくにひどい。友達のやぎぬまかな(ex-カラスは真っ白)さんまでひっぱりだしてのやりたい放題。
11分以上も、ほんと自由気ままに、勝手にあっちこっち話をしまくったあげくに、「聴いていただきましょう、辻林美穂さんで、『forêt』」の声に合わせてインストの名曲・「forêt」が始まるわけですよ。こんなんあり?リスナーの手を引っ張って連れまわす悪女。確信犯ですよ。

待望の音源化となった全英詞の「tick tock tea time!」や、盟友ワタナベタカシとのデュエット「魔法が使えなくなる日」に表題曲「手紙」。この名曲たちとラジオの落差。
しかも最後にもうひとつラジオが入ってる。あーもう!!ほんとうになんなんだこのひとは。来年もちゃんと見張っとかないと、なにするかわかんねぇぞ。

 

 

 

 

SUPER VIRTUALBOYS/バーチャルボーイズ 2018年
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ベッド・インの振り付けでもおなじみのジーニアス・朝日太一とわれらがエイプリルズのイマイケンタロウの2人からなるチップチューンユニット。8bitの、ファミコンみたいなピコピコ系のことをチップチューンって言うらしいよ!今年はじめて知りました。勉強になるね。

スーパーと名の付いた3枚目のCDは、いままでのファミコン的な音から音楽的に劇的な進化を遂げた、その名に恥じぬ1枚。そう、ファミコンサウンドからスーパーファミコンを意識させる音に変化!!ってそっちかーい!!!
ドラクエの名曲「LOVE SONG 探して」やマザー2の「SMILES and TEARS」のカバーアレンジや、前作に収録されていたオリジナルの名曲「銀河の二人」などのセルフカバーも収録。その名も「スーパー銀河の二人」!っておいタイトル!!

と、まぁツッコミどころも満載なんだけど、これがいいのよほんとうに。お互いそれぞれメインの活動があってのバーチャルボーイズ。手に力が入っていないところがじつにいい。このCDの収録音源がないので、1stのときの音源を参考までに。

 

 

 

 

憂鬱イズポップ/OTOGI 2018年
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ハッカドロップス・マイさんとモローンズのリーダー・ヒロヒロヤさんが組んだ2人組。モローンズについては去年も藤岡みなみ&ザ・モローンズの曲を紹介させていただいてるので、よかったらそちらもぜひ。

先行してたデモを聴いたときは、あれ?ずいぶんアコースティックだな、とおもったりもしたんだけど、全国流通盤の音源を聴いたら、やっぱりヒロヒロヤさんらしい、鮮やかなメロディー。

リード曲の「流れ星みたい」のほか、「レモン」や「おしゃべりがとまらないよ」といったデモCDからの3曲を含む、全5曲入りの「はじめまして」。
新人と言ってもキャリアのあるおふたり。今後がとてもたのしみです!

 

 

 

 

ござりかけのRadio/侍文化
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現代に甦った4人の侍たちによるバンド、侍文化。というとなんかコンセプトバンドっぽいけど、ガバガバなので気にしなくても大丈夫。ライブのMCでは途中で語尾に「~ござる」をつけ忘れて「ござっていこうな」と再確認するなど、まぁ自由なスタイル。だが、それがいい

台本なし、奔放で見てるこちらがはらはらするようなMCと、ロキノンをフィーチャーしつつも、素直に「好き」とは言えない、まるでこじらせた高校生のような、そんな愛情がこもった楽曲。これがまたさいこうにいいんですよ。

シングル2枚に加えて2曲のライブ定番曲を加えた手売りのミニアルバム。どれを紹介するかと迷ったけど、1stシングルの表題曲「なんで」を紹介させてください。
爽快で心地よくて、でもなにひとつ進んでいない歌詞。まさに、一筋縄ではいかない侍文化を代表するかのような一曲。
「スモーク・イン・ザ・ウォーター」かと思いきやがくっと期待を裏切る「ZOO」なんかもおすすめ。YouTuberとしても活躍してるので、よかったらそちらもぜひ。

 

 

 

 

羊の皮をかぶった山羊/meiyo 2018年
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侍文化やPOLLYANNAでも活躍するワタナベタカシがmeiyoと名義を変えて再登場。1stにしてベストか!?と錯覚するかのような、「ワタナベタカシのいいとこあつめました」なアルバム。

なんと言ってもワタナベタカシのポップな魔法が炸裂している。「シトラス」や「魔法の呪文」といった名曲が1枚にまとまっててちょうお得。
いまのうちに知っておいたほうがいいですよ。ぜったい売れるから。鮮やかなメロディーと素直じゃないひねくれた歌詞、好きだなぁ。

YouTubeにも曲はあるんですが、あえてeggsでしか聴けないこの「シトラス」を紹介させてください。この曲、ほんとめちゃめちゃすきなの。「僕が居なくて寂しくないと寂しい」って、なんだよこれ。さいこうでは。
meiyoのアルバムトレーラーとかも作ってほしいなぁ。

 

 

 

DELICIOUS./TWEEDEES 2018年
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清浦夏美と沖井礼二(ex-Cymbals)の2人によるバンド・TWEEDEESの最新作。
Cymbalsを愛したファンのひとりとして、このアルバムは「TWEEDEESらしさ」というものが前面に出たものになったようにおもう。確実に、これはいままでとはちがう1枚になったと確信できた作品だ。

表題曲「DELICIOUS.」からの「花束と磁力」と初っ端からアクセル全開。中盤はしっとりと聞かせて、リード曲の「美しい歌はいつも悲しい」。この美しさは、なんだろう。MVも、正直特別な演出ではないとおもう。ただ、これを見た瞬間に鳥肌が、立ったのだ。これ以外にありえなかったとおもう、あまりに秀逸なタイトルも含めて、ぜひ見てほしい1曲だ。

そして、個人的にものすごくおすすめをしたいのが、9曲目の「間違いだらけの神様」。
わたしは、かつて神様になりたかった。ほんとうにいい奴なのに、どうしてこんなに不遇なのだ。そんな友人知人を、せめて照らしたいとおもっていた。やさしい傲慢を振りかざしていた。
そんなわたしに、この歌詞は刺さる。刺さりすぎる。はじめて聴いて、おもわず涙をこぼしてしまったほどだ。おすすめをしたいのに、この曲だけ、再生回数が異様に少ない。刺さりすぎて、どうしても聴けないのだ。
そんな2018年も終わる。来年はもっと、この曲と向き合えるようになりたいとおもう。

 

 

 

 

CDはもう売れない/ポップしなないで 2018年
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ポップしなないでの2ndミニアルバム。このアルバムについては個別に記事を書いてしまったので、もう今さら語ることはないのだが、いい。とにかくいい。

ぜひともみなさまに聴いていただきたい1枚である。いや、もうほんとうにいいんですよ。

 

 

 

 

以上でした。

その他、シングルだから紹介できなかった曲とか、この1曲がめちゃめちゃよかった!!とか、そういうのもよかったら紹介させてください。

 

今から渋谷で遊ばない?/C'mon C'mon 2018年

曲単位では、今年いちばん聴いたんじゃないか?ってくらい聴いた曲。
ポップしなないでの対バンとして出てきて、「いったいC'mon C'monってなにものだ!?」とおもってたんだけど、元ぽわんのメイビーモエさんのあたらしいユニットと知って納得。今後の活躍がたのしみでならない。さいこうですよ。

 

 

僕らの故郷、黄金の国ジパング/イエロー・シアン・マゼンタ

イエロー・シアン・マゼンタの最新MV。曲自体を聴いたのは去年なんですが、今年はじめて聴いたアルバムにも収録されてるし、ちょっと推させてほしい。
和風の香りがするロックなんですが、そんなにロックロックしていないところがいい。今年新メンバーのナカノさんも加入し、新譜も発売(タイミングが合わなくて、まだ入手できていないんだけど……!)今後の活躍がますます楽しみです。

 

 

失踪志願/POLTA 2018年

上でも書いたPOLTAなんだけど、もうこの曲さいこうだから聴いておくれよ。
「行方不明になりたい 死にたいわけじゃないけれど
行方不明になりたい 面倒なこと全部やめて」って歌詞、さいこうすぎなのでは。
ネガティブなんだけど、ネガティブすぎない歌詞。ポップでキャッチーなメロディ。「失踪したい!」ってコール&レスポンスしたい。落ち込んだときにがーっと聴いたらいいんじゃないですかね。ほんとうにいいのでぜひ。

 

 

ビター・エスケープ/やぎぬまかな

カラスは真っ白のやぎぬまかなが帰ってきた!!もうそれだけでじゅうぶんだとおもっていたのに、なんだこのかわいくて、かっこうのいいポップさは。
キャラソンということで、おなじ曲なのにぜんぜんちがうアレンジが施されているというのもおもしろい。とにかく「ビター・エスケープ」ざんまいのこの1枚。入手はコナミのサイトからしかできないのでハードルはたかいんだけど、ぜひ聴き比べてほしいとおもう。

 

wants/学園祭学園

学園祭学園の旧譜2枚をまとめた「ユーモラス・ユーモラス」からはこの曲を。
これは以前、学園祭学園を紹介した記事でも取り上げたんですが、やっぱりめちゃめちゃいいのでぜひ見てほしいなぁ。
途中ベースだけで曲を成立させているところとか、おもしろおかしくトークするだけじゃない、学園祭学園の実力のたかさも感じられる、いいライブ映像だとおもいます。
ひそかに人気がどんどん上がっている学園祭学園、いまのうちにぜひ聴いてみてもらいたい。おすすめです。

 

 

さて、2018年の通常記事は以上です。ありがとうございました。
来年もまた、すばらしい曲たちに出会えますように。みなさまも、もしよかったらぜひ聴いてみていただけたらうれしいです。君に音楽を。