Low cost, Low price & High return

音楽に対してはまじめに、それ以外はゆるゆるとへんなことを。月に何度か、不定期に書き綴ります。

「エモさ」の研究

のっけからさっそく私事ではあるのだが、先日書いたブログ記事について

「文章がエモい」という感想をいただいた。

 

しかも1件ではなく複数である。これはひじょうにありがたいことだ。

おれのように趣味で好き勝手に色々書いている人間にとって、

こういうお褒めの言葉はなによりも励みになる。

まったくもって最上のよろこびと言っていい。

(だからみんな、もっともっと褒めてくれるといいとおもう)

 

だがちょっと待ってほしい。

あのその、「エモい」って、いったいどういうことなんだ?

 

 

 

「エモい」という言葉。きっとみなさまも耳にしたことがあるとおもう。

おれの世代だと、「ELLEGRADEN」というバンドが

ものすごく「エモい」と評判であった。

 

ああ、10数年経ったいま見ても安定のエモさよ。

 

思えば、「エモーショナルロック」というジャンル分けをされていたような気がする。

あれから10数年、「エモい」は音楽のジャンルではなくなったというのか。

ちょっと調べてみたところ、2016年に「今年の新語」に選ばれて以降、

「ぐっときた」「やばい」「心をゆさぶる」などの意味で

日常的に使われることが一般化したそうである。なんと!

 

ならば、である。

もっと文章をエモくすることができるのではないだろうか。

おなじ内容の文章を、文体を変えて書いてみるのだ。

これによって、きっとエモさの正体が明らかになるはずだ。

さっそく研究してみることにしよう。

 

 

 

ラーメンは不思議な食べ物である。

 

私はラーメンが好きだ。

味ももちろん好きなのだが、この食べ物はかなり変わっている。

 

まず、「醤油・塩・味噌・豚骨」と、一般的には4種類のスープに分かれる。

だが、前の3つがスープに入れる「タレ」の味について語っているにも関わらず、

豚骨ラーメンはスープそのものを指す。

これは一体どういう事なのだろうか。基準が滅茶苦茶だ。

その上、「豚骨醤油ラーメン」なるものもある。

ならば普通の豚骨ラーメンとは何なのだろうか。

もし、塩で味付けをしているのならば、

「豚骨塩ラーメン」と言うべきなのではないか。

 

更に、蕎麦は更科、田舎、十割に二八……と主に麺の素性で分類される事が多い。

やや一般的ではないかもしれないが、うどんも稲庭と言えば乾麺である。

讃岐うどんはコシのある麺が特徴。逆に伊勢うどんはコシのなさが魅力だし、

吉田のうどんは硬くて歯ごたえのある麺が印象的だ。

他の麺類はスープ(つゆ)ではなく、麺が主張している。

 

だが、一方でラーメンはどうか。

最近でこそ、「極太麺」などとうたっているお店も増えてきたが、

基本的にはスープの味付けによる分類が主流であろう。

さらには、それだけコストをかけ、分類の基本となっている筈のスープを、

最後まで飲まない方が多くないだろうか。

ラーメン、本当に不思議な食べ物だ。

 

 

 

以上、タイトルを含め、555文字である。

「である調」をイメージして書いてみたのだが、いかがでしたでしょうか。

まぁ何というか、硬い。

ラーメンが不思議だ、ということを伝えるのにここまで堅苦しく伝えるか、

というかんじだ。

 

文章を見せた友人からは

・ちょっと暑苦しい感がある。圧を感じる。そしてなぜ題材がラーメンだ。

・文章がひじょうにえらそうだ。なんとなくむかつく。

という感想をいただいた。

よし、ならば次はふだんのように書いてみることにしよう。

 

 

 

思えば、ラーメンは

ちょっとふしぎな食べものではないか。

 

おれはラーメンがすきだ。

味ももちろんだいすきなのだが、この食べものはちょっと変わっている、

ということに気づいたので、すこしだけこの話をさせていただきたい。

 

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ラーメンうまいよね。

 

ラーメンと言われてまずイメージするのは、「醤油・塩・みそ・とんこつ」という、

4種類のスープのことではないだろうか。

だが、ちょっと待ってほしい。

前の3つはスープに入れる「タレ」の味についてのことだ。

だが、それにも関わらず、「とんこつ」はスープそのものの状態のことだ。

これはいったいどういう事なのか。基準がちょっとあやふやすぎやしないか。

さらには、「とんこつ醤油ラーメン」なるものもある。

ならば、ふつうのとんこつラーメンとは何なのだろうか。

塩で味付けをしているのならば、「とんこつ塩ラーメン」と言うべきではないか。

 

さらに、蕎麦は更科、田舎、十割に二八……と、

主に麺のちがいで分けられる事がおおい。

じゃっかん一般的ではないかもしれないが、うどんも稲庭うどんと言えば乾麺だし、

讃岐うどんはコシのある麺がイメージできる。

逆に伊勢うどんはおどろくほどのコシのなさが魅力だし、

吉田のうどんはとにかく硬くて歯ごたえのある麺が特徴的だ。

他の麺類はスープ(つゆ)ではなく、「麺が主張している」と言えるとおもう。

 

だが、その一方でラーメンはどうか。

最近でこそ、「極太麺」などとうたっているお店も増えてきた印象があるものの、

基本的にはスープの味付けによる分類がおおいのではないか。

でもそれなのに、それだけコストをかけ、分類の基本となっているであろうスープを、

最後まで飲まないかたがおおくはないだろうか。

ラーメン、本当にふしぎな食べものだとおもいませんか。

 

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うまくてふしぎな食べもの。

 

 

以上である。いつものおれの文章で書いてみた。

文字数は737文字になった。

おおよそ1.3倍の文章量が必要になったということだ。

 

見てもらった友人からは

・ひらがながおおい。あたまはわるそうだが、おだやかでやさしい文になった。

・「とんこつ」はともかく、「みそ」と書いてあるところにあたまのわるさを感じる。

という感想をいただいた。

ひらがなを多用し、よけいな言い回しを足すことで、

あたまのわるさとやさしさが表現されるようだ。

なお、エモさについての言及はなかった。

それでは次は文章のプロ、ライターさんの書き方を真似てみるとしよう。

 

 

 

ラーメンが不思議な食べ物すぎる。

 

ラーメンというものがある。

いろいろな種類のスープに浸かった麺料理で、

町のいたるところにあるラーメン屋さんで食べることができる。

誰もがきっと、好きなラーメンがあるのではないだろうか。

だが、この食べ物は実はとても変わっているということに気付いたのだ。

なので今回はこのラーメンについて紹介したいと思う。

 

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これがラーメンです!

 

ラーメンはおいしい。もうね、おいしすぎて困るのだ。

これを書いている今も食べたくなっているのだ。

ラーメンを嫌いと言う人はあまり聞かない。それだけ多くの人に愛されているのだ。

 

そんなラーメンを食べていると、スープの種類が豊富なのに気がついたのだ。

「醤油・塩・味噌・豚骨」と、すらすらと思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

しかし、前の3つがスープに入れる「タレ」の味に関わることなのに、

豚骨ラーメンはスープそのものの話をしているのだ。

不思議な食べ物なのだ。

さらに、「豚骨醤油ラーメン」というものもある。

では、普通の豚骨ラーメンとは一体何なのだろうか。

もし塩で味付けをしているのなら、

「豚骨塩ラーメン」と言った方がいいのではないか、と考えてしまう。

 

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これは豚骨塩ラーメンです!

 

蕎麦は更科、田舎、十割に二八……と主に麺の違いで分けられることが多い。

あまり一般的ではないかもしれないが、うどんも稲庭と言えば乾麺だ。

讃岐うどんはコシのある麺が特徴。逆に伊勢うどんはコシのなさが魅力だし、

吉田のうどんは硬くて歯ごたえのある麺が印象的なのだ。

他の麺類はスープ(つゆ)ではなく、麺が主張しているのだ。

 

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ほかの麺類の主役は麺です!

 

じゃあ、ラーメンはどうか。

最近は、「極太麺」などと名乗っているお店も増えてきたが、

基本的にはスープの味付けによる分類が主流なのだ。他の麺類とは違うのだ。

さらには、それだけコストをかけ、分類の基本となっている筈のスープを、

最後まで飲まない方が実に多いのだ。

 

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ラーメン、本当に不思議です!

 

 

 

以上である。文字数は827文字になった。

デイリーポータルZ等で活躍中のライター・地主さんの文体をできる限り真似てみた。

地主さんはあまりこういう記事を書かないので苦労したが、

とりあえず愛だけでも伝わればうれしい。

 

友人のアンケートには

・「~なのだ」「~です!」と畳みかけることで勢いが出ている。

・写真が多くてよい。読みやすい。

と書かれていた。

文字数が多くなり、言葉に修飾をつけていくとエモくなるのではないか。

そういう仮説を立ててみた。

 

 

それでは最後だ。

仮説に基づいて、さらに「エモい」単語をなるべく多用してみてはどうか、

とかんがえ、このようにしてみた。

 

 

 

ラーメンは不思議な食べ物ボルゾイ

 

私はラーメンが好きボルゾイ

味ももちろん大好きボルゾイが、この食べ物はかなり変わっているボルゾイ

 

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ラーメンボルゾイ

 

ラーメンと言われてまずイメージするボルゾイは、

「醤油・塩・味噌・とんこつ・ボルゾイ」という、

4種類のスープのことではないかと思うボルゾイ

だが、ちょっと待ってほしいボルゾイ

前の3つはスープに入れる「タレ」の味についてのことボルゾイ

だが、それにも関わらず、「とんこつ」はスープそのものの状態ボルゾイ

これはいったいどういう事ボルゾイ

基準がちょっと、いやかなりあやふやボルゾイ

さらには、「とんこつ醤油ラーメン」なんてのもあるボルゾイ

じゃあボルゾイ、ふつうのとんこつラーメンとは一体何ボルゾイ

もし塩で味付けをしているボルゾイなら、

「とんこつ塩ラーメン」と言うべきボルゾイ

 

さらに、蕎麦は更科、田舎、十割に二八、ボルゾイ……

主に麺の違いで分けられる事が多いボルゾイ

一般的ではないかもしれないボルゾイが、うどんも稲庭うどんと言えば乾麺ボルゾイ

そして、讃岐うどんはコシのある麺ボルゾイ

逆に伊勢うどんはおどろくほどのコシのなさが魅力ボルゾイし、

吉田のうどんはとにかく硬くて歯ごたえのある麺が特徴的ボルゾイ

他の麺類はスープ(つゆ)じゃなくて、「麺が主張している」と言えるボルゾイ

 

じゃあボルゾイ、その一方でラーメンはどうボルゾイか。

最近でこそ、「極太麺ボルゾイ」などとうたっているお店も

増えてきたイメージがあるボルゾイが、

基本的にはスープの味付けによる分類が多いボルゾイ

だがボルゾイ、それだけコストをかけ、分類の基本となっているであろうスープを、

なぜだか最後まで飲まない人が多いような気がするボルゾイ

ラーメン、本当にふしぎな食べ物ボルゾイ

 

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ボルゾイ

 

 

 

以上である。文字数は760文字。

おれの思うエモい犬ランキング第一位の「ボルゾイ」という言葉を

語尾にしてとにかくできるかぎりねじ込んでみた結果である。

 

友人からのアンケート結果は以下の通り。

・これは一体何を考えて書いたのか。頭を割って中を見てみたい。

・エモいとかエモくないとかじゃなくて、ボルゾい。

 

エモいとは別のベクトルの評価軸ができてしまった。

イメージしていた結果とはちがったが、今後もより魅力ある文章を書くべく、

精進していきたいとおもう。

 

追記

 

なお、本ブログ公開後にTwitterで取ったアンケートの結果、

ボルゾさ=エモさという衝撃の事実が明らかになった。

もし、今後ボルゾい文章を書きたいというかたがいらっしゃいましたら、

ぜひ参考になさってください。

 

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ボルゾい!