集えおかき!煎餅の楽園が新潟にあった
新潟県の道の駅「新潟ふるさと村」で毎年10月末~11月上旬にかけて
あられ・おせんべいまつりというイベントが開催されている。
初めてこの道の駅を訪れた際に、たまたまこのイベント期間中だったので
興味本位でふと覗いたところ、これがまたすごかったのだ。
それ以来、毎年秋になると新潟に出かけるようにしている。もう今年で5回目だ。
このすごさをとにかくだれかに伝えたいので、どうか聞いてください。たのむ。
あられ・おせんべいまつりに参加しているのは新潟県内に会社を構える15社だ。
この15社が半月のあいだ、道の駅の特設会場にブースをかまえて売り上げを競うのだ。
どうだ、わくわくするだろう。
かなりの盛況ぶりなのがわかる。
これだけの人数の人々が、お煎餅を求めてやってくるのだ。
さっそくブースを回ってみることにしよう。
まずはのれんでブースのインパクトを出してきた山文。
個人的にはここの「天然甘えびあられ」がすきだ。毎年2つは買って帰るほどだ。
口に入れた瞬間にお米の香りとえびの風味が一気に広がる。さいこうにうまい。
このお店に限らず、各種おかきはすべて試食ができる。
お店のかたもどんどん勧めてくれるので、
ぜひこの多数のおかきの中からマイ・ベスト・おかきをさがしてほしい。
加藤製菓の「マヨネーズおかき」もうまい。
この世にマヨネーズをきらいだというひとがいるだろうか。いや、いない(反語表現)
濃厚なうまみ、なのに優しい味がする。マヨネーズとおかきがこんなに合うなんて、
これを発見した人は今すぐノーベル賞をもらうべきだとおもう。
新野屋は「フルーツミックスおかき」や、しその入った「ゆかり棒」といった
変化球を多彩にあやつるメーカーだ。
フルーツミックスおかき。どうかんがえてもどんな味だか想像ができない。
しかしここではちゃんと味見をしてから買うことができるのだ。
未知のものに対するハードルをぐっと下げてくれる。なんてやさしいんだろう。
ほんのり甘くてこれがまたうまかった。
大手メーカーはどうだろう。ブルボンが出店しているのにはおどろいた。
おばあちゃん家で出てくるお菓子ランキングのトップランカー・ルマンドや
みんなだいすきアルフォートを封印しての、純粋に米菓だけでの勝負である。
ふとした拍子にあの子の新たな一面を見たような気分になってどきっとしてしまう。
柿の種にチョココーティングをした「柿チョコ」でおなじみの浪花屋製菓である。
ホワイトやカフェオレ、いちごにきなこ、
さらにはなんと、新潟名物・笹だんご風味の柿チョコがあった。
つよすぎる郷土愛が容易に想像できない味の商品を生み出したパターンである。
試食がめちゃめちゃカラフルなのもポイントが高い。
どうだ、気になるだろう。
お得なつめ放題もあった。
3種類のブレンドも自由だそうだ。
栗山米菓は社名はあまりなじみがないが、
「ばかうけ」のメーカーと言えば知らないひとはいないだろう。
タニタ食堂とコラボしたおせんべいを売っていた。
おせんべいもカロリーをかんがえる時代がきたということだろうか。
越後製菓はきなこ餅風味のふわっと消える食感が魅力の「ふんわり名人」を。
なんと「もも味」「甘酒味」を引っさげての登場である。
大手メーカーだから、どこのスーパーでも買えるのかとおもいきや、
「どのスーパーも置いてくれないんですよ。
なので、実質イベント限定商品みたいになってます」
とのことだった。
たしかにスーパーで売っていても、手に取る勇気はないかもしれない。
なぜ、おかきの対極にあるような果物・ももで勝負しようとおもったのだろう。
売り子のお姉さんがなんと開発担当者で(!)、聞いてみたところ
「いやー、だってももしかないでしょ!」とおっしゃっていた。
よくわからないがその熱意におもわず納得してしまった。
第2弾、第3弾の計画も進めているそうだが、
目下最大の課題は「社内会議に通るかどうか」だそうだ。
越後製菓の新商品から目が離せなくなってしまった。
もも味でも試食ができるからこわくないもんね。(結果うまかったので買った)
「雪の宿」でおなじみの三幸製菓は昨年まで関連会社としての出店だったそうだが、
今年はついに本社が乗り込んできた。
来月新発売の「よくばりあられ」の先行販売でなぐり込みをかけてきた。
2袋買えばもれなくつかみ取りチャレンジができる、との誘惑に負けて2こ買った。
おばちゃんがやたらとサービス精神旺盛なかたで、
「いやー、お兄さんもっとつかめましたでしょ」と言いながら、
2つかみ分くらいのおかきを追加で入れてくれた。おもてなし力が半端ない。
そしてオリジナルのショップ袋をいただいた。
ショップ袋というと洋服を買う際にもらえるイメージだったが、
まさかおせんべいを買いに来てももらえるとはおもわなかった。
さすが2017年である。想像もしなかった未来がそこに待っていた。
おせんべいコーナー以外にも常設のTシャツ屋さんなどがあり、
米Tや新潟の「潟の書き順」Tが売られていた。センスがヤバイ。
リアルな意味でのヤバイTシャツ屋さんである。
お会計は店舗別ではなく、最後にまとめて会計ブースで支払うシステムだ。
手間がはぶけてありがたい。(しかもカードも使える!)
そして500円ごとに1回抽選ができる。ハズレでもおかきが一袋もらえる。
首尾一貫したこの姿勢。さすがあられ・おせんべいまつりである。
(「お兄さん、10回もハズレだったからおまけしとくね~!」と言われて
目分量でゴソッと詰めていただいた。抽選会場までおもてなし精神が過剰である)
結果、おかきが1.5倍に増えた。
米菓に対する熱量と過剰なまでのサービス精神が集結したおせんべいの楽園、
あられ・おせんべいまつり。
足を運べば、おせんべいへの認識が新たになることまちがいなしのイベントである。
今年は11月12日までの開催予定となっている。
皆さま、ぜひとも一度足を運んでいただきたい。
だってめちゃめちゃおもしろいから。おれはたぶん来年も行くよ!
会場となった道の駅の笹だんご屋さんにいたゆるキャラ。初代と2代目はどうしたの?