Low cost, Low price & High return

音楽に対してはまじめに、それ以外はゆるゆるとへんなことを。月に何度か、不定期に書き綴ります。

逆に、焼きそばを煮て作ってみた

 

カップ焼きそばというものがあるだろう。

あれがすきだ。いや、「すき」と言っていいのかはわからないが、たまに猛烈に食べたくなる。焼きそばでも、カップラーメンでもだめなのだ。あのちょっとチープな、カップ焼きそばが食べたくて仕方がないときが、ある。

ただ、お湯を入れているときに毎回おもうのだ。「これ、うそじゃないか」って。
だって「焼きそば」とか名乗っているくせに、実際はほぼ煮て作っているじゃないか。これではカップ煮そばだ。けしからん。

でも待ってくれ。じゃあ、逆に焼きそばを煮てみたらどうなるんだろう。これってトリビアになりませんか。

 

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「煮そば」を作りたかった。

 

さて、そうと決まればさっそく調理に取り掛かろう。
近所のスーパーに行って、材料を調達してきた。

 

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きわめてシンプルな具材たち。

 

カップ焼きそばの具として一般的なのは、キャベツと肉だろう。本家(?)にならって、シンプルな構成にしたい。ただ、わたしがすきな野菜ランキング第一位の玉ねぎはどうしても入れたい。ということでこうなった。ちなみに、ふつうに焼きそばを作るときは、かならずにんじんも入れます。たまにもやしも。

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ざっくり

 

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ざっくりと

 

基本的には「豪快!男の料理!!」なので、切りかたの雑さには目をつぶっていただけるとうれしい。

 

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沸騰したお湯を用意。

 

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切った野菜をぶち込む。一気にお湯が落ち着いた。

 

さて、野菜を煮込んでいる間に麺の紹介である。

 

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焼きそば、おまえは今日から煮そばだよ!

 

使う麺は、むかしから我が家で親しまれている「マルちゃん焼きそば」。わたしはこの麺に絶大なる信頼を置いている。きっと煮てもうまいはずだ。たのむぞ。

ただ、ひとつ気になっていることがある。焼きそばの麺には、茹で時間がいっさい書いていない。かんぜんにメーカー保証外のことをしようとしているのだ。この麺はいったいどれくらいの時間茹でればいいのだろうか。
かなりの細麺である。うーん、1分くらいにしておこうか。

 

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そうこう言っている間に野菜が煮えてきたので、肉を投入。

 

肉が固くなってしまってはおいしくないだろう。肉に続いて即座に麺を投入することにした。

 

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急げー!!!

 

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煮込みます。お鍋の最後みたいになった。

 

と、あわててひとつ重大なミスを犯してしまった。豚肉で一気に冷めてしまったお湯が、沸騰しないのだ。肉の量を減らすべきだったか、それとも麺は別鍋に分けておくべきだったか。しかし、もう間に合わない。ガッデム!!

さらに、写真を撮るのに四苦八苦している間に、あっという間に過ぎる1分間。結果的に、沸騰しないお湯で1分20秒くらい茹でることになってしまった。煮そば、いそがしすぎるのでは。

 

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味見をして、まぁこんなものだろうとザルへ。

 

使ったザルのせいか、一瞬「ラーメン二郎かな?」とおもったが、二郎のヤサイには麺も肉も入っていなかったし、なんなら玉ねぎも入っていない。共通項がキャベツしかなかった。おおいなる勘違いであった。

そして、湯切りを後のお湯を見ると、油が浮きまくっていた。ただでさえおおい豚肉の脂に加え、焼きそばの麺にはほぐしやすくするための植物油がまぶしてあるのだ。
茹で上がったときに油が落ち、独特のテカリがなくなった麺は、ちょっと細いスパゲティのような見た目になっていた。

 

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どうだろう、この焼きそば感のなさ。

 

丼に移したら焼きそばっぽくなるのではないか、とおもったが、想像以上に焼きそば感がない。具の焦げ目のなさ、特にキャベツがクタッとしているからだろうか。
あと、粉末ソースを混ぜるときに粉が部屋に飛び散ったら掃除がめんどうだな、とおもって丼に入れたのだが、はからずも油そばっぽい雰囲気が出た。

 

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焼きそばソースを振って

 

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かき混ぜる

 

茹でて油が落ちた麺がかたまってしまい、粉末ソースを混ぜるのになかなか苦労した。粉がうまく溶けて混ざってくれないのだ。
通常、焼きそばをつくるときは、

肉野菜炒めをつくる→麺を投入→水を入れて麺をほぐす→水がなくなったら粉ソースを投入

という手順を踏む。麺がじゅうぶんにほぐれているし、麺の油や豚肉の脂がちゃんと文字通りの「潤滑油」になってくれるだろう。それがないだけで、こんなにも混ぜるのがたいへんになる、というのはあたらしい発見だった。

おもえば、カップ焼きそばのソースは液体だ。あのソースは油分もたっぷり入っている。なるほどそうか、カップ焼きそばは数々の研究を重ねた上に作られているのだな、というのが、あらためてよくわかった。

 

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できました。

 

混ぜるのにだいぶ苦労したが、見た目はかなり「焼きそば!」という感じになった。ソースの力は偉大である。3枚前の写真と比べると雲泥の差がある。うまそうだ。

なお、混ぜる際に丼のふちまでソースでめちゃめちゃに汚れてしまったので、あわてて拭いて取り繕った。みなさまも煮そばを作る際には注意をしていただきたいポイントだ。

 

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いざ、実食!!

 

食べてみると、うん……味が、薄い……?

わたしはマルちゃん焼きそばを作る際、およそ3玉に粉2袋を入れるようにしている。
粉末ソースの味が濃いのだ。ぜんぶ入れてしまうと、しょっぱくて食べられない。
今回は1玉なので、ふつうであれば2/3袋でいいはずなのだが……ふしぎと味が薄いのだ。これはまったく想定外の事態であった。

追いソースをして、1袋を丸々入れても、まだ少し薄い。結果、自分がちょうどいいとおもえる味にするためにはなんと、1と1/3袋を使うこととなった。倍量である。
なお、追いソースを終えたあと、丼を拭くのをわすれたため、写真の上では麺を持ち上げたとたん、一気に丼がよごれたように見えてしまった。味ではなくて、ツメが甘い。

おそらくこれは推測だが、しっかり湯切りをしたとは言っても、焼いた麺とは含まれている水分量がぜんぜんちがうのだろう。まさかこんなに味の濃さがちがうとはおもわなかった。何事も、やってみなければわからないことがあるものだ。たぶん、今後二度と使わないであろう知識がひとつふえた。

そして、かんじんの味について、である。
ふつうの焼きそばに比べて油分が少ないためか、味の濃さがおなじでも、まろやかでやさしい味がするのだ。ほら、鉄板で焼いた焼きそばは、けっこうこってりしたパンチのある味だろう。
だが、ちがうのだ。煮そばはやさしく頬をなでるような味なのだ。なんということだ。ボクシング漫画だとおもって読んでいたらラブロマンスだった、くらいの衝撃である。焼きそばとも、チープでジャンクなカップ焼きそばともちがう、第三の味わいがここにはあったのだ。

で、じゃあありかなしか、と言われると、ぜんぜんありだとおもう。
濃いものがにがてなかたやお年寄りには、むしろおすすめできる味だ。キャベツのシャキシャキした歯ごたえや、わかりやすい派手さはないのだが、あっさりしていて、けっこううまい。
麺がすこし柔かったが、わたしが写真を撮ったりしてバタバタしていたせいもあるだろう、1分程度茹でればいいとおもう。茹で時間がきわめて短く、味見をしている余裕がなかったため、ざっくりした目安で申し訳ない。どうかこの煮そばの味のように、やさしくあたたかい目で見ていただけたら幸いだ。うわ、まったく伝わらない表現になってしまった。でも、もしよかったら試してみてください。これはこれで「アリ」だ。

 

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ふつうの焼きそば。こっちは問答無用でうまい!

 

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