北海道には温泉にも入れる炉端焼きのお店がある
旅のたのしみ、といえばうまいものではあるまいか。
旅先で、その場所でしか食べられない、うまいものを食べるのがなによりもしあわせだ。それから温泉にでも入れれば、もうこれはさいこうに大満足の旅になろう。約束された幸福感である。これは疑いようのない事実だ。
で、この前北海道に旅行に行ってきたのだ。おいしい料理と温泉、あとそれから景色も。北海道って言ったらそりゃあもう、ぜんぶいいに決まってるじゃないか。
そしたらなんと、海の見える露天風呂に入れる炉端焼きのお店があるそうだ。ええっ!?なんだそれは!そんなの行くしかないじゃん!!と、いうことで、鼻息を荒くして行ってきました。ご覧ください。
北海道は白老町(しらおいちょう)にやってきた。温泉やクマ牧場で有名な、登別のひとつ東にある町である。北海道名物・開拓おかきにも「白老 虎杖浜たらこ味」がある。たらこをはじめとした豊富な海産物や、白老牛というブランド牛が有名な、海辺の町だ。ようするに、なにを食べてもうまいところだ。
国道沿いに数店舗のお店が立ち並ぶ
目指すお店「北のランプ亭」はここにある。時刻は18時すこし前。お昼に予約をしておいたのだ。温泉は急に行っても入れない場合もあるので、ちゃんと事前に確認の連絡をしておいたほうがいいだろう。
食いしん坊は「自然を炭焼」というフレーズにぐっとくる。
数店舗のお店が敷地内に並んでいるが、お店の前には大きな看板があるので、迷うことはないはずだ。
この佇まい、いやがおうにも期待がたかまる。
ウエスタン風って言うのかな。外装に木をふんだんに使ったお店は、それだけでうまそうさが8割増しに見えてしまう。あと、つるしてあるボールの理由はわかんないんだけど、なんかその、できる感を感じてしまうのはなぜなんだぜ。
いざ、店内へ。
店内も木を多用していて、おしゃれでかっこいい。用心棒や賞金稼ぎが酒盛りをしていたらどうしようとおもってびびったが、まだ時間が早いせいかそういうひとたちはいなかった。
予約をしていたため、席が準備されていた。オーシャンビュー!
あいにくの曇り空だったけど、天気がよければ絶景なんだろうなぁ。
メニューの一例。
ステーキから刺身に焼き魚、海鮮やお肉の炭焼きまで。コースもあります。きれいな海を見ながら食べるご飯、ぜったいうまいの法則というものがあります。
大地の炭焼きと、ソーセージを頼みました。ああうまそう。
あと、茶色の食べものだいたいうまい説、という学説もある。海鮮もぜったいうまいんだけど、おれは肉食男子なのだよ。肉と米の組み合わせには絶大なる信頼を置いている。
炭火で焼くお肉。これ以上のしあわせがあるだろうか(いや、あるわけがない)
うまいものをうまいこと表現する能力に長けていないので端的に言いますが、めちゃめちゃうまかったです。一文でうまいって言いすぎだな。
たぶんこのときのおれ、世のなかでいちばんうれしそうな顔をしていた自信がある。おいしいものはひとをしあわせにします。
ああ、おいしかった。
いやぁ大満足。さいこうだね。ごちそうさまでした。また来よう。
じゃないよ。食事がうまくてすっかりわすれていた。温泉だ温泉!!
「懺悔の湯」って気になる名前。
おれは食後に入ったが、他にも予定をしているかたがいる場合もあるので、来店したときにまず確認しておこう。 浴室は1つのみ。扉に鍵をかけて、貸し切り風呂として利用することもできる。家族旅行なんかだといいかもしれない。
公式Facebookには紹介されているが、店内には特に掲示等がないので、知る人ぞ知る温泉と言えそうだ。
それから、温泉だけの利用はできない。あくまでもここは飲食店であり、食事をしたひとへのサービス、という側面がつよいのだ。
脱衣所には善意つぼが。無料で入れるけど、ちょっとしたお気持ちを入れておきましょう。
脱衣所から廊下を抜けていくと
わほーい!!温泉だー!!
どうかんがえたって「食事のオマケ」というレベルではない、絶景の露天風呂があらわれた。源泉かけ流しの温泉に、このロケーション。なんだこれは。夢か、夢なのか。だとしたらここは桃源郷だ。肉と海鮮と温泉が待ち受ける夢の国にちがいない。
少し黄色がかった、透明な温泉。温度も熱すぎずぬるすぎず、ちょうどいい。
もちろん、ここに温泉があるということは承知のうえで来店しているわけだが、それでも飲食店で温泉に入るという事実にふと笑いがこみ上げてくる。だって温泉がここにあるべき理由なんてなにひとつないのだ。ましてや、こんな本格的な湯船である。脳が身体に追いついてこない。理解できないものを目の当たりにしたとき、ひとはただ笑うことしかできない。
湯口も石を組み合わせた、「温泉らしい」もの。
天気がよければさいこうの景色なんだけどなぁ。こればっかりは仕方ない。
温泉はつるつるとした肌触りの塩化物泉で、色は先述のとおり、少し黄色がかった透明なお湯。お店のかたにお話をうかがったところ、お店周辺の一帯にある温泉地・虎杖浜(こじょうはま)温泉の共有源泉を使っているそう。
虎杖浜温泉は知る人ぞ知る名湯。登別温泉に比べれば知名度では負けるものの、2011年に全国で10番目となる「源泉かけ流し宣言」を行っている温泉地。つまり、どこの温泉施設・ホテルに行こうとも、ぜったいに上質の温泉に入ることができる、お湯の質が約束された温泉地なのだ。先ほども書いたが、ここの温泉「懺悔の湯」ももちろん源泉かけ流し。お湯にこだわりたいというわがままなあなたも、満足するにちがいない。
奥の寝湯は現在使われていないようだが、広いスペースをウッドデッキとして使うことができる。
遊歩道はたまに散歩しているひとがいるそうなので、そこだけは注意が必要かも。はしゃぎすぎは禁物。
それからこの温泉、なにがすごいかって言うと、洗い場のカランから出てくるお湯も温泉なこと。あまり勢いはよくないものの、せっかくの温泉成分を洗い流さずに身体を洗えるっていうのは、おれはとてもすきなのです。
食事も温泉も、すべてに満足のできるいいお店でした。ここに来れてよかったよー!!
帰るときには暗くなっていた。夜の雰囲気もまた、いいよね。
※注意※
取材を行った6月末にはまだアナウンスをされていなかったのだが、記事執筆のためにお店のFacebookを確認していると、なんとこちらのお店は2018年8月31日で閉店してしまうそうだ。食事や温泉の利用についても変化がある場合があるので、事前に電話で確認をされたほうがいいとおもう。
この食事や温泉を楽しめるのもあとわずか半月。もしも立ち寄れるチャンスがあるのならば、いまのうちにぜひ!オーナーは再開したいという意向もあるそうだが、温泉については特にどうなるのかわからないので、この機会に入っていただけたらうれしい。だって、だって、ほんとうにいい温泉だったんだよ!!
取材協力:北のランプ亭
北海道白老郡白老町字竹浦116−12
【電話番号】0144-87-6777
【営業時間】11:30~15:00(L.O.14:30) 17:00~21:00(L.O.20:00)
【定休日】水曜日 ※2018年8月31日をもって閉店